現代とのすり合わせ

さて、そこからは、忙しかった。


まずは、戸籍だ。もちろん、かよは、死んだ事になっていたので帝が外宮の政府に取り合っていくれ復活。しかし、同じ「かよ」ではない。


身元が不明の孤児であり両親共に不明の処理。

ここ大和では、あまり考えれないが。毎年一定数、児童養護施設には、遺棄されその様な子がいる。


なので書類だけでも児童養護施設に在籍したことにして、その後私と養子縁組。


書類の手続きは、なぎさに丸投げしてサインと印鑑押したが、確認は怠らない。

敵対している華族に漬け込まれたら将来かよが大変だ。


後は、教育‥。読み書きはなんとか。

話し言葉で大和語を書くのは戸惑った様子だった。時折、漢字を旧漢字になるが、まあまあ読めなくもない。

むしろそこは、現代人より出来ている。


数学も和算の方が得意だが、現代数学の理論を少し教えたらできた。それでも、図形や証明のほうが得意らしい。

私は、過去の悩まされた問題をスラスラだ‥。

簡単な中学2年生レベルの問題は難なく解けた。

方法は、古いが解があているからいいだろう。


問題は、外国語だ‥。下地が全くない。


小学校の参考書を買い与えたり、教育TVを観せているが‥。

「やっぱり、塾か家庭教師を雇われた方がよろしいのではないでしょうか?」なぎさが私にお茶を出しながら話す。

「でもなぁ。かよの現状をよく知ってない者に教育を任せて変な噂流されてもな‥。」私は、お茶を飲みつつ、かよをみる。


今は、紅葉と竜胆に数学を教えている。

二人。いや、二匹は人の姿に化けている。


紅葉は、楓と同じキジトラ猫で竜胆は白と灰色のハチワレ猫が本来の姿だ。

しかし、今は、紅葉は、ショートカットが可愛らしい女の子に竜胆は、センター分けのこれまたなかなかかっこいい男子に化けている。

日中をその姿でいられるように練習だ。


なぜならば、護衛としてかよと同じ学校に入ってもらわないと。

一人では、ジェネレーションギャップに対応できないだろうし。


「かよっちここ教えてぇ〜。」と竜胆がかよに聞いている。

竜胆はオスなのに人型になったらこんな調子だ。去勢手術したからかな?


「クネクネするなよ。怪しまれるやろ。護衛としても仕事があるんやで!」とメスのはずの紅葉が勇ましい事を言う。

避妊手術したからかな?


本人達は制服も入れ替えたいらしい。子猫の時には、ただの猫として飼っていたんだ。

将来、猫又になるなんて思わなかったんだもん。ジェンダーレス制服にしてもらおうかな‥。


そんな彼らを見る。

でも、学校に行っていきなり大勢の中に行く前に誰かに教育されるのはいいかも知れない。

しかし、該当人物が思い当たらなぁ。



「外宮の学校じゃないとダメなのでしょうか?」なぎさが話しかける。

「内宮は完全に家庭教師制だ。平民は、寺子屋に行くが15で卒業し専門学校に行く。華族の令嬢は、15から帝都の華族学校に行くが、社交を知らん、かよを送り出すのは不安がある。完全寮生だしいじめも酷い。爵位を下賜されたばかりの侯爵家なんて下手な男爵令嬢より下だ。」私はなぎさがいれてくれた紅茶に目を落とす。いい匂いだ。


華族学校の夜間部に通っていた頃の自分を思い出す。

外宮育ちの私は、本当に中途半端だった。

だが、時代のうねりにはその中途半端が必要だったのかもしれない。


24年前の自分には重々しく。そして、忌まわしい。


身分や立場より自分が心許せる友達を作って欲しい。親になるからにはそこまで考えないと。

お父様が、私にしてくれたように。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る