離れ島で忍者として育った竜心が、憧れの“街での普通の生活”を目指して島を出る。
だが、彼の前に立ちはだかるのは魔物でも敵忍者でもなく――
「普通」「常識」という、現代社会最大の難敵だった。
挨拶のタイミング、買い物の仕方、公共マナー、すべてが初見で、すべてが試練。
真面目なのにどこか抜けている竜心の奮闘は、読者の“あるある”と忍者的ズレが絶妙に噛み合って笑いを誘う。
そんな竜心を見守る街の人々も魅力で、彼の不器用さに振り回されながらも、少しずつ絆が生まれていく温かさが心地よい。
忍者が現代で“普通に暮らす”だけでこんなに大変で、こんなに面白い。
ドタバタと優しさが同居する、現代忍者コメディ。
忍者の島を出て、「普通の高校生」として新しい生活を始めようとする竜心。入学式の日に早く来すぎて周囲から浮いてしまったり、浩信に不審者扱いされて落ち込んだりと、忍者なのに学校生活には妙に不慣れなところが面白かったです。
そして子どもの風船を取ろうとして、つい人間離れした身体能力を使ってしまい、あっさり正体がバレる流れも笑えました。「実は俺……忍者なんだ」と告白するまでが早い(笑)。
閉ざされた忍者の島を離れ、普通の青春に憧れてやって来た竜心が、これからどこまで「普通」の高校生活を送れるのか。忍者と学園コメディの組み合わせが好きな方におすすめ!
本作は特殊技能を持った少年が、「普通の高校生活」という最難関任務に潜入する。
竜心は強すぎる。強さは、日常ではすぐ異物になる。敵を倒す力より、力を使わずに済ませる判断の方が難しい。
彼は必殺技ではなく、交戦規定を必要としていた。
どこまで動けば普通か。どこから先がバレるか。そこで浩信という現地協力者がとても効いている。
竜心は超高性能だが扱いの難しい未上場銘柄ともいえる。
伸びしろは大きい。
けれど常識の欠損リスクも大きい。だから浩信の距離感がうまい。
物語の転換として豚に突き刺さったのは、竜心が正体バレの危険を承知で先生を助けるところだ。普通になりたいから見捨てるのではなく、普通を好きになったから守る。
生きて次があること、友が行動で示されること、何気ない日常が輝いて見える瞬間。
その全部が、この抜け忍の不器用な一歩に重っていた。
離れ島で育った本物の忍者・竜心が、憧れの「普通の高校生活」を送ろうと現代の街に出てくる——という設定の明快さがまず気持ちいい。異世界でも転生でもなく、現代日本に忍者がいる、ただそれだけだ。
入学式の朝6時半に一人で校門の前に立って感慨に耽る竜心の真面目さと、それが周囲から「不審人物っぽい」と見られてしまう微妙なズレが、すでに第一話から笑える。生徒会長に気を遣って声をかけてもらい、内心「悪目立ちしてしまったかも……」とトホホになる竜心は、強くて純粋でちょっと抜けていて、非常に愛嬌がある。
タイトルにある「⇒そしてあっさりバレる」「⇒そしてなぜかウケる」という副題が各話についているのもリズムよく、読む前から次が気になる仕掛けになっている。
「大力(嘘)」と同じ作者だが、こちらは経営学もチートも関係なく、ただ純粋に笑えるコメディとして成立していて、作風の幅広さが伝わる。現在7話と短いが、毎日更新中なので今後も期待できる。肩の力を抜いて読める一作。