予想を裏切られました。
まだ完結しないので書きません。
完結したら再編集します。
7月11日
完結おめでとうございます。お疲れ様でした。
前作と前々作も読ませていただいていたので、「今回はどっちがくるのかな?」と身構えながら読み始めました。
ところが、待っていたのはどこか懐かしくて、あたたかい空気が流れる港町の日常。
思わず「あれ?また全然違う?今回は青春もの?」と拍子抜けしたのは事実です。
派手な事件や刺激的な展開で引っ張る作品ではありません。だから、昨今の作品と比べると展開がちょっと進んでいるように感じづらい点があるとは思います。
でも、友達同士の何気ない会話、子どもの頃の思い出、少しずつ積み重なっていく違和感。その一つひとつが丁寧に描かれていて、読み進めるほどに「あの頃」に帰っていくような不思議な感覚になります。
そして、この作品の一番好きなところは登場人物たちです。
誰か一人が特別に優れているわけでも、悪者がいるわけでもない。それぞれが少し不器用で、少し勘違いして、相手を思っているからこそすれ違う。そんな等身大の高校生たちだと思いました。
ミステリーとしても面白かったです。
何気ない会話や、「あれは何だったんだろう」と思っていた小さな描写が、後になって「ああ、そういうことだったのか」と繋がっていく気持ちよさは、ぜひ先入観なく味わってほしいところ。決して大げさではないのに、読み終えたあとには確かな満足感が残ります。
読後は、懐かしさと優しさ、それからほんの少しだけ切なさが胸に残りました。
青春小説が好きな人。
日常の中にある小さな謎が好きな人。
登場人物を好きになれる物語を読みたい人。
そんな方には、自信を持っておすすめしたい一作です。
そして、この感じは…続編を期待してもいいのかな?なんて思いました。
瑞々しく読みやすい筆致で、潮香る港町や活気ある商店街、そして緑豊かな山々の情景が鮮やかに描かれており、どこか懐かしい郷愁を誘う作品です。
何より、作中で生き生きと動き回る5人の少年少女の会話が魅力的。テンポの良いコミカルなやりとりに、思わずクスッとさせられます。
物語は、冒頭の「黒猫との不思議な会話」という、日常の裏にある非日常を予感させるシーンから始まります。そこから、かつてのタイムカプセルを掘り返すという、これまたノスタルジーを掻き立てる展開へ。しかし、そのタイムカプセルが消えたことをきっかけに、物語は町に古くから伝わる伝承と、仲間たちの秘めた想いへと繋がっていきます。
果たしてタイムカプセルはどこへ消えてしまったのか、そしてこの事件はどんな結末を迎えるのか。日常とファンタジーが織りなす彼らの軌跡に、期待が膨らんで止みません。
潮風が通り抜ける夜の静かな漁港。防波堤の上で主人公の前に現れたのは、月明かりを浴びた一匹の「喋る黒猫」だった――。
導入の数行を読んだ瞬間から、静かな波音と、ほろ苦い潮の匂いが画面の向こうから確かに漂ってきます。
6年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こそうと集まった、5人の高校生たち。
しかし、そこにあるはずの「宝物」は、なぜか消えていた。
本作の最大の魅力は、その極めて丁寧で美しい「引き算の情景描写」です。
決して大げさな言葉を使わず、等身大の彼らの軽快な掛け合いの裏で、夕暮れの教室や夜の海の静寂が、息を呑むほど鮮やかに頭の中にレンダリングされていきます。
なぜタイムカプセルは消えてしまったのか。
そして、夜の港で待つ黒猫の正体とは。
忙しい日常のノイズから一度オフラインになって、夜、部屋の電気を少し暗くして、淹れたての珈琲を片手に静かに読み進めたくなる。そんな、一生胸に残る「少し不思議(SF)」な夜の物語です。