転生の最後の関門を担う「心査官」。
その補佐として働く遊月は、転生を拒む魂たちと向き合い、彼らの心の奥にある痛みや未練を少しずつほどいていく。
門の前に立つのは、泣けない魂、怒れない魂、歩けない魂――
どれも“生きた証”を抱えたまま、次へ進めずにいる者たち。
遊月は彼らの心を救うたび、自分自身の心にも触れていき、止まっていた感情が少しずつ動き出す。
転生をめぐる設定はファンタジーでありながら、描かれるのは極めて人間的な傷と再生。
魂と青年が交わす静かな対話は、「もう一度」を願う者たちのカルテそのもの。
これは、傷ついた心が再び歩き出すための、優しくて、少し切なくて、確かに温かい物語。