『皇帝の右腕になった仮面騎士は、歴史に名を残さない』
『逆襲の刃〜あるいは故郷を奪われた少年の、故郷再興の物語〜』
この二つの物語が完結した。
同じ戦争を、前者は仮面騎士パソンの立場から、後者は竹中晶という一人の少年の目を通して描かれた戦記である。このレビューは、二つの作品に対して書かせていただきます。
実はこの二つの物語は、前作『最強の花嫁と引きこもり夫が一大文明を築くまで』と『2020年、地球に『転移』してきた新大陸を、親父の遺骨と位牌を持って旅することになった僕の話』(タイトル長い!)が土台となっている。ですから、この二つの作品を読んだ後なら、ああ、そういう事か!感がものすごいです。
舞台は太平洋の真ん中に突如現れたラギ大陸。京という国にリヒトという国が侵攻してきたという筋書き。
まず、キャラが魅力的だ。
竹中晶は、〜でござるといった侍言葉で喋る。周りを固める武将や関係者たちの名前もユニークで、殺し合いが中心の殺伐とした展開にちょっとした遊び心を添えている。
リヒト側の第三皇子スタンウェイのキャラも好ましいが、何よりもその右腕となって皇子を助ける仮面騎士パソンの正体が気になる。
そして迫真のアクションシーンにはハラハラドキドキさせられたし、よく練られた戦術や戦略にも感心した。戦記は私には書けないなと感じた。
しかし、戦記ではありながら、この二つの物語は圧倒的にヒューマンドラマとしての性格が強い。登場人物同士の絆や確執の鋭い描写が、その人物に対する感情移入を誘導するから、その人物が死んだ時は強い悲しみを覚えた。
特に、最後に明かされるパソンと晶の因縁は衝撃的だ。
一つの物語を二つの視点で描く作品はよくある。
しかし、これは一つの戦争を二つの別々の物語に仕立てて、毎日二話ずつ更新された。そのエネルギーにも感服した。
ラギ大陸に関する物語は今後も続く。もうすでに新しい作品が、また二作品同時に二話ずつ公開されている。すごい!
この壮大な一大戦争絵巻を是非楽しんで欲しい。二作品同時に交互に読んで行くとより分かりやすいと思う。
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ラギ大陸という架空の舞台で二つの国が争う戦記物です。
「リヒト」という国に視点を置いて、敵国である京国との戦いを描いています。
物語の中心となるのは「D・パソン」という仮面を付けた男。
彼は第三皇子の軍師として、軍略を巡らせて活躍します。
しかしリヒトは一枚岩ではないようで、京国と敵体しながらも、リヒト内部で第一皇子や第二皇子の勢力とのせめぎ合いが繰り広げられることに。
パソンたちはこの八方塞がりとも思える状況に活路を見出し、生き延びることができるのか。
そして彼の仮面の下に隠された秘密とは何なのか。
戦記物としての見所がいっぱいの作品です。
ちなみに、敵国である京国視点の物語『逆襲の刃〜あるいは故郷を奪われた少年の、故郷再興の物語〜』が同時連載されたので、交互に読んでみるのも面白いと思います!
パソンが頑なに隠し通した仮面の下には何があるのか、ぜひその目で確かめてみてください!!
仮面の人物パソンの正体は。そしてこの世界に備わる秘密とは。
本作はいわゆる「戦記物」となり、対立する京国とリヒト国の戦争がどのように進行していったかが紐解かれます。
全体的に「和」な雰囲気を持つ京国、一方で「洋」なテイストのリヒト国。
この二国が対立する感じは、個人的には「ファイアーエムブレムif」の白夜王国と暗夜王国なんかを連想しながら読みました。
……だが、ゲームと本編の違いは「セーブした場所からやり直せないこと」となります。
某SRPGのファンならお馴染みな感覚だけど、「仲間が死ぬ」は戦記モノなら避けて通れない現象。
特に思い入れのあるキャラが命を落とす展開にでもなれば、いったんそこでリセットしてやり直したい、というような想いに駆られます。
でも、この作品の現実はそんな甘えを許さない。
「まさかこのキャラがここで?」というような形に、メインキャラと思われた存在も命を落としていく。
最終的には誰が生き残り、この戦いはどう収まるようになるのか。
そして、パソンの正体。パソンの仮面が外れるシーンが随所にあり、それを見た人間の反応により「彼の素顔は一体どんなものなのか?」と強く想像をかきたてられるようになります。
同時連載されていた「逆襲の刃〜あるいは故郷を奪われた少年の、故郷再興の物語〜」とはめまぐるしくザッピングし、もう一人の主人公である晶との宿命が紡がれていくことにも。
二人の対決が避けられないものなら、決着はどうなるのか。そして、二人はその果てで一体何を見ることになるのか。
熾烈なる「戦記」としての魅力と、同時に「宿命」としての深い人間ドラマの描き出された魅力いっぱいの物語です。
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