ラギ大陸という架空世界での戦記物。
そこには昔の日本を彷彿とさせる「京国」と、ドイツ感のある「リヒト国」の二国があり、その両国が激しく争う様子が描き出されています。
この物語の視点は京国側。
武神と呼ばれる竹中晶と、彼をとりまく七人を中心とした「復興八将」が、リヒトに攻められて防衛したり、リヒトに攻め込んだりして、手に汗握るような白熱の展開が繰り広げられていきます。
勝敗の鍵を握るのは、いかに知略を巡らせるか。
時にはほんの数人の兵で大軍を相手取ったりも!?
無謀とも思える戦力差で戦況を覆す様子にこそ、戦記物の魅力が詰まっているのではないでしょうか。
戦争なので、仲間が増えたかと思えば失うこともあります。
時にはそういった世界の非情さを噛みしめながら、ぜひともラギ大陸の行く末を見届けてください!!
なお、敵国であるリヒト視点の物語『皇帝の右腕になった仮面騎士は、歴史に名を残さない』が同時連載されているので、交互に読んでみると二倍、三倍と楽しめると思います!
本作品は読む人によって、色々な違った風景が見えてくる可能性があります。
京国に生きる晶。対立するリヒト国のパソン。
京とリヒトの二国間の戦争の中で、晶とパソンの二人の運命がめまぐるしく交錯していくストーリー。
本作は「皇帝の右腕になった仮面騎士は、歴史に名を残さない」と対をなすもので、晶側の視点、パソン側の視点のそれぞれで戦いの様子が描かれていくことになります
つまり、晶側からだと重要人物の死などの悲劇に当たるものが、パソン側だと強大な敵を倒した勝利の物語になり、その逆もまたありうるという。
正義とは何か。戦うとはどういうことか。
英雄物語として片方が持ち上げられれば、もう片方はただ倒されるだけの悪役として終わることになる。
でも、現実はそうは行かない。誰かの勝利は誰かの敗北。そんな裏と表が自然と発生してしまう。
本作はそうした二面性を持ったところが特徴的です。
なので、これから本作を読み始める読者には、いくつかの選択肢が与えられることになります。
晶の物語とパソンの物語は「毎日二話ずつ」のペースで更新されていたので、「リアルタイムの読者と同様、二話読んだらもう一方の話を二話読むスタイル」にするか。
または「一方の話を全部読んでからもう一方の話に行くか」という。
どちらの読み方をしても違った印象を得られ、また違った魅力があるのも特徴です。
注目すべきは「パソンと晶」の宿命の結実。その結末を知ってから一から読み直すと、それまでと違った風景が見えることになります。
「この事実」を踏まえた上で読み込んでいくと、パソン(または晶)はどんな想いで相手との戦いに臨んでいたのか?
片方を読み終えた読者なら、間違いなくそんな想いを胸に秘めながら読み進めることになります。
交互に読んでもいいし、片方ずつを一気に読んでもいい。それぞれの楽しみ方が得られる、多面的な魅力を持った作品だと思います。
とにかく重厚で、何度も胸を揺さぶって来る壮大な物語です。圧倒的な熱量を味わえること間違いなしの作品でした。
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