本作は、第一話から提示される「圧巻のボリューム」と「世界の密度」に驚く一作です。
あえて言うなら、昨今WEB小説の枠にとらわれていない、寧ろ古き良き、読み応えのある「小説」としての体裁を整えた力作と感じました。
作者様は、きっと数多くの書籍、物語に触れ、「その良さ」を身体にしみこませた方で、本作はそれが結晶化したような構造となっています。
とにかく、文章の構成(地の文とセリフのバランス)が、絶妙です。
安心感と満足感のある、非常に良い意味での、昔ながらの物語の書き出しで、「これが無料で読めるのか!?」と「目」が喜ぶほどです。
「国」を「國」と表現されているように、神仏や思想が息づく、本気で作り込まれた和風世界観で、言葉1つ1つの選択にセンスと意図が見受けられます。
すべての文字が、丁寧な筆致により、文芸的な美しさを表現する技法。
もはや、マイノリティとなりつつも、これこそ、物語の神髄。
文字に命を宿す「言霊」の力を手にした無垢な巫女と、不器用な堅物修験僧が、物の怪や國の思惑が渦巻く過酷な大自然の中で静かに絆を紡いでいく、重厚で切ない和風純愛ファンタジー。
昔ながらのビブリオマニアの皆様へ、そして昨今のWEB小説を楽しむ新たな読者の方も含め、多くの方にたしなんでほしい、届いてほしい、そんな想いでレビューいたします。
どうぞ物語をお楽しいただければと思います。
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