月曜二限、毎回同じ席に座る真人のことが気になった理人。
ひょんなきっかけで話せるようになりますが、真人の独特な反応は、理人の友人、小山さんにとってはノイズに映ります。
ただただ純粋な気持ちで真人の反応の理由を知りたいと思う理人。
真人の反応に違和感を感じ拒絶する小山さん。
作品の中でこの二人の反応が対照的に描かれることで、読者の私達は自分ごとに感じることができます。
私だったら、どちらの反応になるだろうかと。
人間関係とは本当に難しいです。
相手のことを思いやりましょう。
違いを尊重しよう。
これらの言葉を、私達は子どもの頃から言われていますし、意識して過ごさなければ集団の中で上手くいかない経験も身をもって知っています。
だからみんな頑張っています。
でも、誰かを理解する時、自分の経験や考え方、その時の感情の状態等のフィルターを消すことは難しいですよね。
相手の言葉を聞く時に、どうしても自分の解釈が入ってしまう。
思い込みを極限まで削ろうとすると、反対に自分の価値観が覆されて不安に苛まれたり。
頑張って相手の心に寄り添おうとして、自分を殺すことになる時も。
自他の境界はとても曖昧でストレスフル。
だから、時には踏み込みすぎたり、自分の価値観を押し付けて傷つけ合ったり。
この作品の中でも、真人、理人、小山さんは試行錯誤しながら『相手を理解する』とはどういうことかを考えて、実践していきます。
その軌跡を、綺麗事なしに描いています。
読んでいて、私も自戒を繰り返しました。
小山さんがどんな結論に辿り着くかは、是非皆様自身が読んで確かめていただけたらと思います。
相手も自分も大切にしながら、理解し寄り添うとはどうすれば良いのか。
諦めずに互いの言葉に耳を澄ませ、歩み寄り続ける理人と真人に癒され、温かい気持ちをもらいました。
尊い二人の姿を全力で推したい。
お勧めです!
周りから浮いてしまっている彼(=小早川くん)に興味を持った理人。
小早川くんのことを知るために、理人は少しずつ彼との距離を縮め、彼のことを知り、そして、強い絆で繋がっていく……。
「うっひょ〜! なんか美味しそうなキャッチコピーのBLだぁ……! ぐへへへへ……」と下心丸出しで読んだら見事に浄化されました。私はなんて愚かだったのでしょう。誰か経を唱えてください。昇天します。
読んでいて心があたたまりました。
緩急もしっかりとあるため、ドラマチックで飽きがきません。
読了後には、少し優しい自分になれた気さえします。
見出しにも書きましたが、この物語はマジで教科書に載るべきだと思いました。全人類、義務教育で学ぶべきです。それくらいの名作です。
現代社会において、この物語からは学ぶことが多すぎる。この物語はもっと多くの人に広めるべきだし、廃れさせてはいけない。そんな使命感に駆られて、私は今、拙いながらもこうしてレビューを書いております。
小早川くんは、ASD(自閉症スペクトラム障害)的な何かを持っているのでしょうか。彼の行動や心理の描写はもちろん、その特徴を知らない周りの人間は彼にどんな視線を向けるのか、この辺りの描写が秀逸でリアリティを感じました。
そして、そんな彼に歩み寄ろうとする理人。彼の優しさは印象的で、清々しいものです。彼の思考・言動はぜひとも見習いたいものですね。
人は誰もが同じではありません。ですから、生きていれば人とぶつかることの一つや二つあるでしょう。
しかし、例え衝突してしまったのだとしても、また歩み寄ることができたのなら。
この物語は、『すれ違い』『衝突』『失敗(後悔)』などを通して構築される、人間関係の美醜を繊細に描いております。
ヒューマンドラマが好きな方は、絶対に気に入ることでしょう。
タグに『万人向け』とありますが、まさに皆様に読んでいただきたい物語です。
アマチュア作家の集まるWEB小説で、ここまでのクオリティの作品が無料で読めるというのはありがたい。
ぜひ読んでみてください。世界が変わります。
すでに多くのレビューが入っているので詳細は割愛させて頂きますが、この小説では特に次の三つがとても大切だとあらためて気づかされました。
それは、
・相手を理解することはその人の気持ちをまず考えること。
・後悔を後悔で終わらせないこと。
・相手と直接面と向かって言葉と表情に思いを込めて伝えること。
どれもありふれた真理の一面。
それらを本当の意味で理解することは難しいですが、ひとつひとつの積み重ねが、やがては特別な思いと繋がっていきます。
ささやかな言葉のやり取りやいっときの感情が作用し合い、誤解や不和を生んでしまう展開。
心の変化がありのままの姿で描かれ、これを優しい筆致で乗り越えていく点が印象に残りました。
素直に言葉にできた時、笑って許せる関係が、もっと相手のことを知りたいと思える間柄へと変わる。
あぁ、言ってよかったと安堵するシーンには思わず感情移入してしまいます。
不器用でもいい。
たどたどしくなってしまっても構わない。
時間はかかるかもしれないけれど、それでも確実に前に進んでいる。
その確かな一歩が尊い。
人生は一度きり。
ゆえに、行動しなかった後悔は行動したあとの後悔よりも深く残るというもの。
失敗しない人はいません。
むしろ失敗してこそ人生といえるでしょう。
後悔を味方につけることができればきっと、
今までよりもよりよいものへと変えることができる。
それを友人や家族の視点で体言した素敵な物語だと感じました。
人とは違う価値観を持っているせいで、周囲から浮いてしまっている彼(小早川くん)のことが気になって仕方ない理人くん。
彼のことが知りたくて、少しずつ距離を詰め、理解を深め、そして——
お互いを理解していくことで、少しずつ心の距離が縮まり、やがて、かけがえのない特別な存在になっていく。その過程がとても丁寧に描かれています。
『自分とは違う』と決めつけるのではなく、相手を知ろうとすること。
偏見を持たずに相手と接すること。
この物語を通して、そんなことの大切さを改めて教えてもらえたような気がします。
相手を理解することは、平和に繋がる。
そんな思いやりと優しさに溢れた、とても素敵な物語です。
二人が少しずつ心を通わせていく姿を、ぜひ見届けてみてください。
人と人とは、どこまで分かり合えるのでしょう。
同じ言葉を聞いても、感じ方は違う。
誰かにとって何でもないことが、別の誰かにはとても苦しいことかもしれない。
そんな「違い」を前にした時、私たちは時に、分からない相手を「変わっている」「面倒だ」と遠ざけてしまいます。
けれど本作『真理を理解つ』が描くのは、その反対です。
分かり合えないから、離れるのではない。
分かり合えないからこそ、知ろうとする。
何が苦手なのか。
何なら大丈夫なのか。
なぜそう感じるのか。
どうすれば、お互いが無理をしすぎずに一緒にいられるのか。
「一緒に隣を歩く方法を探したい」
この言葉こそ、本作を象徴するものだと思います。
物語の中心にいるのは、周囲への気遣いを忘れない蘇芳理人と、自分なりの決まりや感覚を大切にして生きる小早川真人。
二人は最初から完璧に分かり合えるわけではありません。
知らないから戸惑う。
間違える。
言葉が足りなかったり、すれ違ったりする。
それでも、勝手に相手の気持ちを決めつけるのではなく、尋ねる。
伝える。
謝る。
そして、また少しだけ近づいていく。
その積み重ねが、本当に優しいんです。
そして素晴らしいのは、この「隣を歩く」というテーマが、二人だけの関係に留まらないことなんです。
家族にも、友人にも、それぞれの事情や痛みがあります。
誰かが傷ついたからといって、その人が必ず正しくなるわけではない。
反対に、誰かを傷つけてしまったからといって、その人の人生すべてまで否定してしまうわけでもない。
人は弱く、時には嫉妬し、間違え、取り返せないことをしてしまう……。本作はそこを綺麗に取り繕いません。
傷つけたことは消えない。
謝ったから全部許されるわけでもない。
それでも、自分の過ちを認め、その後悔と向き合い、「これからどうするか」を選ぶことはできる。
そんな姿を丁寧に描いています。
中でも、私の心に強く残ったのが「後悔」についての考え方でした。
後悔という言葉には、どうしてもネガティブな印象があります。
「あの時こうすればよかった」
「もっと優しくできたのではないか」
過去を思い返し、自分を責めてしまう。
けれど、この物語は教えてくれます。
後悔できるということは、あの時には見えなかったものが、今は見えるようになったということでもある。
やり直したいと思えるのは、その時の自分より少しだけ視野が広がり、心が成長したからなのかもしれない。
過去そのものは変えられない。
だからこそ大切なのは、後悔を後悔のままで終わらせないこと。
そこから何を知り、何を受け取り、次にどう生きるのか。
後悔は、ただ自分を傷つけるだけのものではなく、未来へ進むための「意味のある振り返り」にもなれるのだと、本作を読んで感じました。
そしてもちろん、そんな深いテーマだけではありません。
理人と真人が少しずつ互いを知り、距離を縮めていく姿は、とにかく可愛くて、温かくて、何度も頬が緩みます。
不器用な言葉。
何気ない気遣い。
小さな冒険。
ほんの少しの嫉妬。
そうした日常の一つ一つが積み重なって、「この人だから特別」という気持ちへ変わっていく過程が、とても愛おしくて。
恋愛物語としてのときめきと、人と人が理解し合おうとする物語としての深さ。
その両方が、無理なく一つになっています。
「相手を理解する」とは、相手のすべてに賛成することではない。
「寄り添う」とは、自分を消して相手に合わせ続けることでもない。
違う人間同士だからこそ、互いの歩幅を確かめながら、隣を歩ける場所を探していく。
簡単ではありません。
きっと何度も失敗するはずです。
でも、だからこそ……人との繋がりを諦めなくてもいい。
『真理を理解つ』は、そう静かに語りかけてくれる物語だと思います。
誰かとの違いに戸惑ったことがある人。
人間関係で「あの時、もっと違うことができたのでは」と後悔したことがある人。
自分自身のことを、もう少し大切にしたいと思っている人。
そして何より、温かくて優しい物語が好きな人へ。
ぜひ読んでいただきたい一作です。
読み終えたあと、あなたにとっての「誰かと隣を歩くこと」を、きっと少し考えてみたくなると思います。
大学生の主人公が、講義室で見かけた男子。妙に気になって近づきます。そばにいる彼女は不満ですが、二人は徐々に関係を深めていきます。その男子はルーチンにこだわって生活し、会話はやや斜め上という、とりつきにくいタイプ。それでも主人公は持ち前の積極性で近づき、孤独そうな彼に大きな影響を与えていきます。二人の行方はどうなっていくのでしょう??
同性の話というのはとりあえず置いておいて、ヒューマンストーリーとして感動する物語の予感が強くあります。作者の過去の作品も青春の初々しい恋愛やほろ苦さを見事に書いていました。その筆力、丁寧な作品作りには敬服します。
ぜひ各話の応援コメントも見ていただきたい。特にある読者と筆者のやりとりはこの物語をさらに魅力的にしています。文字量ですぐわかります(笑)、二人ともキャラへの愛情がとても深いのです。二人ともうらやましい感受性です。
BLや百合は女性の作家や読者が多いのですが、その理由が分かりました。女性は男性よりも人間がとても好きなんです。性別の組み合わせは単に好みや設定上の理由で決まるだけで、女性は本当に人間のドラマを書きたいし読みたいんだな、と思いました。
実はまだ5話までしか読んでいないのですが、これを機に男性を含んだ多くの人に味わっていただきたいヒューマンストーリーです。ぜひ一緒に堪能しましょう!