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布の向こう

布の向こう

楠本ラリアット

おすすめレビュー

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★★★
★9
3人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 錦戸琴音
    1300件の
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    ★★★ Excellent!!!

    届いた声の行く先は

    戦後、占領下の東京。
    ラジオの人生相談番組に多くの投書が寄せられる。
    主人公、牧野は、無数のハガキの中から回答を用意する生活を送っていた。
    いわば、脚本、シナリオライターという職業になるのだろう。

    その投書の中から、ある一つの声に答える言葉が見つけられない。
    牧野はハガキを書いた相手を訪ねる。
    どう言葉をかけるつもりなのか、自分でもわからないまま。

    裡にあるものを説明出来ないのは、牧野だけではない。
    誰もが整然と言葉にならないものを抱えている。
    亡失された言葉は、どこにあるのか。
    手繰り寄せようとすれば、胸がキリキリと痛む気がしてくるのです。

    それでも、物語の中で、
    人はその日を生きている。

    その重みに、私はしばらく言葉を出せませんでした

    • 2026年8月10日 23:37