面白い寓話です。人間の未練だけを燃やす火葬場。そもそも葬儀ってそういうものだったりしますので、何も死に別れた人だけでもよくね? という発想が秀逸ですね。
さて本作はその設定を用いて、作者の蒔文歩さんその人が主人公として登場します。そして燃やしたいのはなんと「創作意欲」。実際ご本人も受験に勤しまねばならぬ状況で、さらに創作をしているひとなら誰でも感じる悩みと相まって、いっそ創作意欲なんかなければいいのに、と火葬にしてやろうとします。結末はネタバレになるので控えますが、はて主人公の蒔さんではなく、作者の蒔さんが創作意欲を投げ捨てたいと本当に思ったのか。たぶんこのお話のまんまではないんでしょうけど、何らかの葛藤はあったんだと思います。で、自分なりの結論を(とりあえず)得て、そこからこの物語を発想したのかと。その結論は、タイトル「燃えるものならなんでも」とキャッチコピー「だって、全部自己満足だから」に滲み出ています。燃えないものこそ本物であり、自己満足だからこそ消すことはできない。高校生でこの結論に至るって何ですかこの人って感じですが。創作に勤しむ人は是非読んでください。あるある、と頷くこと請け合いです。