祖母を失った主人公が自らの肉体を鍛え上げて山へ向かう決意の強さと、そこで待ち受ける「見えないもの」の不気味さの対比が絶妙で、猟師とのやり取りの一瞬の違和感にぞくりとさせられます。淡々とした筆致で恐怖を積み上げていく文章表現も光り、最後の受け入れの場面には背筋の凍る余韻が残ります。土着的な民俗ホラーや、じわじわ迫る不条理な恐怖が好きな方にオススメです。