隕石落下後、人々が地下シェルターで暮らす世界。
それだけでもポストアポカリプスを感じさせる魅力的な世界観ですが、そこへ少しずつ忍び込んでくる「違和感」と「恐怖」が、その魅力をさらに加速させます。
閉ざされた地下空間。逃げ場のない生活圏。
そして、死んだはずの人間がそこにいる、という違和感。
目の前の相手が本当に人間なのか分からなくなっていく恐怖。
派手なパニックだけで押し切るのではなく、じわじわと状況が悪化していく過程が丁寧で、読み進めるほどに息苦しさが増していきます。
しかし、そのパニックとじっとりとした恐怖の中で、元軍人である中年主人公が、ただ怯えるのではなく、判断し、動き、守ろうとする。その姿が、作品全体にしっかりとした芯を生んでいるように感じました。
SF的な設定、閉鎖空間のホラー、そして「誰を信じればいいのか分からない」サスペンス。
この三つの要素がバランスよく絡み合い、気づけば次へ、また次へと読み進めてしまう、一気読み必至の作品です。
読後感はまさに、ポップコーンを食べるのも忘れて映画を観終えてしまったような感覚。
地下シェルターという“安全な場所”が、いつの間にか最も恐ろしい場所に変わっていく。
その緊張感を、ぜひ味わってほしい一作です。
この作品は、人間に擬態する怪物への恐怖と、極限状態でも大切な相手を守ろうとする人々の姿を、テンポよく描いた作品だと思います。
隕石災害後の地下シェルターという閉鎖空間で、誰が人間で誰が怪物なのか分からなくなっていく展開は、非常に漫画的で分かりやすく、各話の引きも強いため自然と先を読みたくなりました。
特に印象に残ったのは、怪物となった郡司に襲われた父を救うため、美奈子が銃の引き金を引く場面です。それまで守られる側だった娘が、恐怖を抱えながら父を守ろうとする姿には、親子の強い関係性が表れていると感じました。
また、怪物が刺青やピアス、指輪などの人工物を正確に再現できないという設定も、単なる弱点ではなく、人間同士に疑心暗鬼を生み出す仕掛けとして物語の中で機能しています。
単なる怪物退治の物語ではなく、信じていた相手まで疑わなければならない状況の中で、それでも誰を信じ、誰を守るのかを描いている点が、この作品の芯にある魅力だと思います。
序盤までの紹介となりますが、文紀たちが崩壊し始めたB地区でどのような選択をするのか、これからも追いかけて行きたいと思います。
…というアイディアが大変興味深いですね!
(実際はゾンビというわけではないのですがジャンル的にはそれが近いかと!)
元軍人の主人公(離婚済み)が最愛の娘と偶然出会った女性を守るため奔走するという海外映画さながらな設定に、目まぐるしく動いていく状況が緊迫感を生む、いい意味で「こういうのでいいんだよ!」な作品です。
恐怖や不安といった心情を深く掘り下げるというよりは、さくっとライトにゾンビパニックを楽しめる本作。
今後の展開も楽しみ……なんですが、唯一作中で繰り返される「ある描写」がものすごく不安を煽ります……!(予想が外れて欲しい……!)