人の心が作り出した帳は、常識の通用しない恐ろしい世界。
そんな帳に迷い込んだ人の前に灯持ちが現れます。
灯持ちは迷い込んだ人の感情を否定することなく受け入れます。時には案内し、時には伴走し、その人が自分の心を理解するのを手助けします。
帳に迷い込んだ人は、完璧な人たちではなく私たちと同じように悩み苦しむ普通の人。
灯持ちが寄り添う中、いろんな人の辛い体験や苦しみ、屈折した感情が明らかになっていきます。
いろんな人の願いに、いろんな人の想い。みんな幸せを願っているのだけれど、それが時に自分や他人を不幸にしてしまう。そんな私たち人間の現実が、ファンタジーの中で赤裸々に描かれています。
作品を読んで登場人物の心の旅を味わっていたはずが、気づいたら自分自身の意識の奥深くを覗き込みたくなっていまう、そんな作品です。