衝撃的な作品でした。
最初の穏やかで美しい初夏の情景。それらの描写があるからこそ、終盤で明かされる真実がずしりと私の心に負荷をかけてきました。いろいろな状況をあえて説明はせず、行間の空白が感情を語る筆致がその負荷にさらに負荷をかけるような印象を受けました。
高校生で、こんな老成した文章が書けるなんて。そのことにまず驚きました。そして、この文章全体ですごく印象的だったのは、作者が悲劇を声高に語らないこと。
青年と少女は最後まで普段通りに笑い、食事をし、「大好き」と伝え合う。その何気ない幸福があるからこそ、透明な液体の意味や、蛍が少女の頬に止まる場面がより強い刺激となるような気がします。
ラストの「世界は動き出した。それでも二人の世界はずっと雨だけれど、二人とも笑顔だった」という締めくくりは、美しさと残酷さが同居する忘れがたい一文です。
読み終えたあとも、雨音と蛍の淡い光景が目の前に見えるような気がする位でした。
高校生、ですよね??
高校生すごいなぁ。
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