辺境の田舎町で、愛娘と慎ましく暮らす冴えない中年男性・ヴィンセント。
畑を耕し、お酒が好きで、身なりにもあまり頓着しない。
娘の前ではどこにでもいそうな、ちょっとだらしなくて優しいお父さんです。
けれどその正体は、かつて「軍神」と呼ばれた、伝説級の男なんです。
こう聞くと爽快な最強主人公ものを想像しますし、実際、ヴィンセントがその実力を覗かせる場面はとにかく格好いいです!
「いや、おじさん強すぎるでしょ!?」と思わず笑ってしまうほどの圧倒的な強さには、しっかり胸が躍ります。
でも、私がこの作品で特に惹かれたのは、そんな強さとは別のところでした。
困っている人のためなら自分が頭を下げられる。
過ちを犯した相手にも、その事情を知れば手を差し伸べようとする。
そして何より、血の繋がらない愛娘の未来を、自分の幸せ以上に大切に考えている。
ヴィンセントの本当の格好よさは、誰よりも強いことではなく、その力を持ちながら、とても優しい人であり続けていることなのだと思います。
けれど、彼には決して消すことのできない過去と深い後悔があります。
穏やかな父親としての日常。
かつて戦場を駆けた「軍神」としての顔。
そして、大切な人を守れなかった一人の男としての痛み……。
それらが少しずつ重なっていくことで、ヴィンセントという人物がどんどん好きになっていきました。
愛娘エミーナとの温かな親子関係はもちろん、彼の過去を知る人々や、新しく出会っていく個性豊かな人物たちとの交流も大きな魅力です。
笑ってしまうような掛け合いがあったかと思えば、ふと胸を締め付けられる場面もあり、そして物語が動き出せば王道ファンタジーらしい熱い戦いもしっかり待っています。
「実は最強」の爽快感が好きな方。
不器用だけれど優しいおじさん主人公が好きな方。
親子もの、人と人との繋がりを描いた物語が好きな方。
そして、過去を背負った人物がもう一度前へ進んでいくお話が好きな方に、ぜひオススメしたい作品です。
伝説の軍神が本当に守りたいものは、名誉でも地位でもありません。
そんな彼が再び剣を取った先に、どんな未来が待っているのか。
気がつけば、ヴィンセントとエミーナたちの幸せを願いながらページをめくっている……そんな、温かさと熱さを併せ持った物語です!!
辺境の地で、おさない娘エミーナと暮らす中年男、ヴィンセント。
どこからどう見てもボンクラだが、実は、かつての戦役で名を馳せた、とても強い軍人で……?
娘のエミーナの素直でまっすぐな可愛さ、美しく気丈な(ちょっと生意気な)姫騎士ライラ。
じょじょに明かされるヴィンセントの過去や、思いがけない事件に遭遇した時に発揮される、ヴィンセントの優しさ、人の良さ。
能力を隠したイケオジの魅力が存分に味わえる作品です。
物語はまだ序盤。これからヴィンセントが活躍を見せてくれそうで、楽しみです!
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