生活の手触りを感じる丁寧な導入から始まり、どんどん不穏さが積み重なっていきます。
特に印象的だったのは隧道という舞台です。暗くて、古くて、湿っていて、閉塞感がある──恐怖を際立たせる場所として、これ以上のものはないなと思いました。
なにより、もともと気味悪さを感じながらも、いつも通れていた道であること、それが怖かったです。その「大丈夫だろう」という日常の感覚が崩れていく様子がリアルで、読んでいて息が止まる感じがしました。
また、擬音の使い方も秀逸で、音そのものが物語の空気を作り出していると思いました。
あなたの車から、警告音は鳴っていませんか?
読み終えたあとにもじわりと怖さが広がる作品です。