「雪女の末裔」という神秘的な血統を持つ主人公が、故郷を追われ、異国の港町で正体を隠しながら次なる旅路「センチュラル」へと足を踏み出す――。王道ファンタジーのワクワク感と、不穏な「吸血鬼の噂」が交錯する、旅情をそそる素晴らしい第1話です!
冒頭のプロローグのインパクトが絶大です。雪女に恋をした変わり者の男と、そこから始まった「氷宮家」の13人の子供たちという伝説的な背景が、わずか数行で世界観の奥深さを提示しています。
続く本編では、活気ある貿易国家マエロンの空気感が丁寧に描写されており、胡散臭くも凄腕の商人アントニーとの掛け合いを通じて、主人公・涼香が「あえて噂話に金を落とすことで、効率よく情報が集まる仕組みを作った」という賢さが自然に伝わってきます。メディアに一切姿を現さない有力政治家ヴァーミリアンと吸血鬼の噂という伏線も非常に魅力的で、「人は得体の知れないものを納得の出来る型に押し込めて安心したがる」というアントニーのセリフには、深い説得力があります。
魔物を狩って地道に貯めた路銀を手に、未知の民主主義国家へと向かう涼香。ラストの「まさかあんな出来事に巻き込まれてしまうだなんて」という定番ながらも確実な引きによって、これから始まる壮大な異国旅への期待感が最高潮に高まる見事な開幕です!