主人公は「父との大切な思い出を忘れてしまった」と思ってカナエを探している。途中で出会う大工の男性は逆に、事故の記憶を消すためカナタを探している。この対比を先に見せておいて、最後には主人公自身が以前カナタに父の記憶を消してもらっていたと分かる。カナタが何度も「本当にそれで良いの?」「後悔しない?」と確認するところも、真相を知ってから振り返ると意味が変わります。
特に「忘れてしまった」のではなく、忘れなければ生きづらかったから自分で忘れることを選んでいたという反転が切ないですね。最後も、記憶を取り戻して万事解決ではなく、「過去が消える訳ではない」と重いまま終わる。この能力を便利な救済装置にしていないところが印象に残りました。