登場人物の立ち回りだったりが読んでいてわかりやすく、どんどん読めてしまいました。文章構成が素敵で、僕も見習おうと思います。
SF企画で読ませて頂きましたが、SFと言うには科学的な根拠が薄いと感じますただ、一人称独白と丁寧な会話でプラマと翠香の心理的距離が縮まる過程を丹念に描くミステリー風ヒューマンドラマとしては読みごたえがありました
「殺して、救ってください」という条件があまりにも残酷で、プラマが翠香に近づくたびに胸が苦しくなりました。触れるだけで人を燃え尽きさせてしまう翠香が、怯えながらも少しずつ麗奈を信じていくのが切ないです。名前を呼び合えた場面は嬉しかったのに、その先に待つのが“同意を得て殺すこと”だと思うと素直に喜べない。最後に翠香が「ぜんぶあたしが悪い」と崩れる場面では、救うって何なんだろうと考え込んでしまいました。
「ねこが好きですって?私はマルチーズ、つまり犬よ!本当は犬も好きなんでしょ?……それとも私をパージする気!?」
この作品。 読者。そう。読んでる人に教えてくれるんです。だから、それがとても不気味で怖い。暑い夏の夜にオススメの作品です。