Q.霊はいると思いますか?
A.分かりません
けれどはっきり言っておこう。良作はこの世に存在するし、それを書く人も確かにいるのだと。
そういう意味で、私は霊が見えるようになってしまった司くんと同じぐらいはっきりと感じている。
この小説は面白い。そして作者さんは良作を書く人なのだと。
それは一つには登場人物の行動原理がはっきりしている。
主人公の司くん。ヒロインのいずみさん。どちらも霊を探す理由が明白で、そして切実さもよく伝わってくる。
だからテンプレでなくても出だしに勢いがあり、かつそれが上滑りしていない。しっかりと地に足をつけて、かつ「強烈に踏み込んで」の勢いとなっている。
つまりは剛速球だ。この世に数多く存在する悲しむべき偽物たちの勢いとは質量が違う。
そしてヒロインのビジュアルが可愛い(近況ノートにイラストが公開されている)。
なぜか? 二次元のイメージの中にしっかりと「肉」が詰まっているからだ。行動原理が明白で、そして外見がそれに沿ったものなので、読者からは生の人間に感じられる。それが魅力を増幅させ、単純な二次元絵の可愛さ以上のものへと昇華させているのだ。
物語に合ったビジュアルを描くこと。ビジュアルに合った物語を紡ぐこと。どちらもシンプルながら誰にでもできることではない。大抵は絵を見て「はいはい可愛いね」(AI全盛の今日ではそんなものは誰でも出力できる)となるだけの、物語とかみ合っていない絵だけの可愛さだ。
ゆえに本作は良作であり、作者はそれを書く人である。
それは3話までしか公開されていない現時点(今夜4話が来るらしい)においても、霊が存在するかどうかより数段明白な事実だ。
もし違っていたら私は近所の心霊スポットに出かけてきて除霊オナニーをした上でその様子を自分の近況ノートにアップするだろう。
それを賭けられる程度には現段階での作品の出来に確信を持っている。