夢に巣食う『鳥』と、それを祓う退魔師『猫』
夢の世界を渡って怪異に立ち向かう――設定にも惹かれましたが、この作品で何より好きだったのは、そこで描かれる人と人との関係性でした。
島育ちで真っ直ぐな洋一郎と、誇り高く不器用な千夜。
最初から相性がいいわけではない二人が、仲間たちと過ごし、同じ事件に向き合い、互いの知らなかった一面に触れながら少しずつ距離を変えていく。その過程がとても丁寧です。
そして、物語が本格的に動き始める三章以降の夢渡りがとても面白い。
夢だからこそ描ける不思議で少し怖い世界の中で起こる事件は、それ自体に読み応えがありながら、その人が抱えているものや、人間関係まで浮かび上がらせてくれます。
特に三章、そして四章、五章と読み進めるほどに、この物語の魅力がどんどん増していきます。
異能や怪異ものが好きな方はもちろん、仲間同士が関わり合いながら少しずつ関係を築いていく物語が好きな方に、ぜひおすすめしたい作品です!