父子家庭の少年と少女が、料理をきっかけに交流を深め成長していくお話。
料理が得意な少年・懐と、そんな彼のことが気になる少女・六美。
自分自身にもお互いにも不器用な二人は、心と料理を通わせながらそれぞれの想いに気づいていく。
洗練された「間」と繊細な「余白」を持ち、心に余韻を残していく描写。
それは二人の心の動き、さらには情景をより味わい深いものにし、ここにしかない色彩と風味を作り出す。
そして読者の中に彼らが歩む青春の日々と、本作の舞台である灯凪町という街を鮮やかに広げていく。
じんわり浸れる世界観と、甘酸っぱくも愛らしい主人公たちが魅力の本作。
静かな夜に特におすすめです。