迷い込んだ人の行く末を、見届ける物語。ああ、そこでそうしなければ。ああ、ここでこうしていれば。物語のなかの小さなかけらに触れたとき、自分の中にある後悔や戒めのようなものが呼び寄せられる。冷たいようで、そうでもない。不条理なのに、なぜか見覚えがある。読んでいるのは他人の物語のはずなのに、いつのまにか自分の心模様が映り込んでいる。物語の結末に自分を見いだすと、背筋が凍った。【レビューコンテスト応募】