第1話から世界観の密度に引き込まれた。
下層の義体修理屋・九条晶人の「壊れた耳」は、相手が飲み込んだ本音だけを拾う。踏み倒しを企む客の「走ればいい」、闇医者ユノの「死なせたくない」——その一言一言が、彼の行動を静かに動かしていく。
感情を表に出さないキャラクターなのに、読んでいると内面がよく伝わってくる。「直せるのに直さないと気分が悪いだけだ」という自己解釈の不器用さが最高だ。
サイバーパンクの世界観も、企業の電力制限と旧式医療機器の脆弱性という形で具体的に描かれており、説明的にならずに社会の歪みが見える。第1話で既に続きが読みたくて仕方ない。