男性同士の深い関係から紡がれる、耽美な物語。この複雑な情感が、重厚かつ巧みな文章表現で紡がれると……物語に一気に惹き込まれ、夢中になってしまうのです!
王太子ユーグフィルと、暗殺を企てたエストルード、この二人をダブル主人公のようにして紡がれる物語は……時に悲惨ですらあって、陰謀の渦巻くダークな展開が主で、目が離せなくなります。
概要に「完全ハピエン!」と書いていますが、本当に!? 本当にハピエン辿り着けるの!? と心配になるほどのダークっぷり、それこそが作者様の狙いだったのでしょう……是非とも楽しんで欲しいです。私は本編完結まで読んで、グッと握りこぶしを作るほど楽しめました。
ダブル主人公を取り巻く重い過去や運命の中……二人が共にいた時間だけが、真実のように輝いているように映りました。
是非ともご一読をおすすめ致します!
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ナツガタリBL応援になります。
元々作者様推しですが、読了感をそのままにレビューを書かせていただきます。
文学。美しい文学なのです。
呼吸を忘れるほどの美しい文章。誰しも読めるかみ砕いた表現の中ににじみ出るシーン。
敢えて使われる独特の比喩。これはテンプレと思われる題名を猛烈に調理されたフルコースです。
元々身分は違えど親友として幼少期を育った二人が、政治の裏事情により親友を暗殺しようとして捕まることに。
親友・エストルードを救うために立ち上がるのは王太子にして大魔導管のユーグフィル。
しかしエストは悪役の仕組んだ毒によりすでに死人に近い状態になり身動きひとつできず。
大好きなエストが死ぬのは耐えられない。フィルは幼き頃最愛の祖母様から教わった「生命の魔法」をエストに与え続ける。
好きだろう。
(おかしいな……ただ食べ物を与えているだけなのに……文章から滲み出る美しすぎるシーンが煩悩を刺激します)
ああ、好きです。※心の声。
(いいぞもっとやってくれ)
後半にかけてとんでもない大どんでん返しとざまぁ展開。
テンプレを極上に調理されたフルコースをとくとご堪能あれ。
つまらないものはない。
そして心をふさぎ少年時代泣いていたエストを救った鳩。
曇り切った少年は、太陽のような王太子によってずっと救われていたのです。
愛するもののためならば、何でもできる。
後半のエスト覚醒は必見。
ラストはもう語彙が消えるほどうつくしいエンディングです。
本当はもっと読みたい。けれどもここで終わることで二人の余韻とその後を読者に委ねるという配慮。
文学的な美しい文章がとにかく参考しかないので、途中難しい漢字の意味を調べながら拝読しました。またひとつ静谷様の作品で賢くなりました。
はじまりから終わりまで、作者さまの独特の癖をちりばめた美しいBLファンタジー。
この世界にはまったら抜けられません。さあ、二人が幸せになるまで一緒に見つめてみませんか?
自分を暗殺しようとしたエストルードへの愛を止められないユーグフィルと、自分には愛される資格がないと思いながらも今でもユーグフィルの愛をどこかで求めてしまうエストルード。
二人の関係性が耽美な筆致で描かれ、物語へと引き込んでいきます。
お互いのことが好きなのに、立場のせいで陽の当たる場所で結ばれることがなかなかできない二人の気持ちが切なく、読み進めるほどに幸せになってほしいと思うように……。
要所要所で出てくる情景描写の一つ一つも美しく、まるで映画を見ているような気持にさせられました。
ダークで重めのBL作品が好きなのでとても刺さっていて、これからも二人を応援しながら読み進めようと思っています。
断罪、処刑、監禁……不穏なワードから始まるような本作。
さらには性愛を含む愛の気配が見えて
ゾクゾクさせられる世界観。
濃厚な読み味を想像しながらそっと世界に入り込んでいくと、作者様の巧みな筆致に引き込まれていきます。
優れた言葉選びと緩急
甘さは甘く。
硬さは硬く。
キラメキは眩いほどにキラメイて。
展開していく世界にいつの間にか溺れているのです。
優秀にして立場も堅いフィルが、
自らの命を削ってでも救おうするエスト。
エストはいじらしく健気であり、
曇りきったと言いながらも心根は澄んで、
フィルに与えられる命に安心して身を委ねる姿にそそられます。
言いようのない色気と魔法と政治、陰謀の絡む読み応えのあるドラマ。
読み始めたら必ず虜になる。
ドラマティックな恋物語をご堪能ください。
この夏は、濃厚な静谷ワールドに呑まれましょう。
水の底でしかできない痺れるような呼吸が待ってます。
悪役として断罪された令息と、彼を秘密裏に救い出し甘やかに幽閉する王太子。
本作のあらすじを一見すると、Web小説で人気の高い王道の筋立て、所謂「テンプレ」に沿った展開に感じられるかもしれません。
しかし、ページをめくればすぐにその先入観は、心地よく、それも強烈に裏切られることでしょう。
本作の真の魅力は、その王道的な骨組みに血肉を通わせる、驚くほど重厚かつ耽美な筆致にあります。暗く冷たい石造りの牢獄から、柔らかな絹とレースに彩られた鳥籠のような寝室へ。
そして、過去の記憶の中で光る木漏れ日や、星明かりの下で凍りつく情景。それらが極めて美しく独創的な言葉選びで紡がれ、幻想的な世界観を見事に映し出しています。
特に素晴らしいのは、心を閉ざした主人公が、王太子の狂気的なまでの献身と自らの生命を削る魔術によって、少しずつ溶かされていく痛切な心理描写。
かつての無垢な日々がいかにして残酷に奪われたのかが明かされていき、読む者の胸を強く締め付けます。
テンプレという親しみやすい器を使いながらも、深く上質な文学作品を味わっているような余韻を与えてくれる、珠玉の一作。オススメします。