歴史・時代小説では男性同士の接触が激しく描かれている……ように見える。
それは肉体的でもあり、精神的でもあるわけだが「なんとなく」の域を越えてはいない。
本評論では、その仮説の真偽を
男色文化の実在
歴史小説の構造
読者の特徴
投稿サイトの仕組み
という四点から隈無く分析している。
私が本評論を読んで思ったのは「興味深い以前に読み物として面白い」という点である。
データに偏ることはなく、個人の憶測に偏ることもない。
このバランス感覚が作者の歴史小説への造詣の深さを語っているだろう。
その上で、提示された主張もしなやかだ。
歴史小説の本筋から逸れたところが主となってしまう危機感のようなものと、
かといって「歴史」の重さは紛れもない事実としてあるというジレンマが感じられる。
その経緯を、以下のように明瞭にまとめている。
・
歴史・時代小説に必要なのは、過去を現代の欲望で塗りつぶすことではない。
同時に、過去を安全な博物館の展示物に閉じ込めることでもない。
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歴史、BL、評論。
選ばない人はとことん選ばないだろう分野を、自分の形として落とし込んだ優れた作品だと思われた。