本作は、フードコートで清掃バイトに励む大学二年生の主人公が、わずか三十分の休憩時間に巻き込まれる「日常のノイズ」を描いた連作短編小説です。
彼にとって休憩時間は、時給一時間分ほどの贅沢なメニューを味わい、唯一「客」に戻れる神聖な自治領。しかし、そんな至福の時間に飛び込んでくるのは、隣の席から漏れ聞こえる他人の赤裸々な会話でした。
政治から労働の本質へと急転直下する女子高生たちの人生観。そして、一見よくある男女の復縁話から、命の危険を感じる恐るべき修羅場へと一変するカップルの暴露劇。
絶品グルメの味に感動しつつも、会話の衝撃展開にツッコミが止まらない主人公。読者は彼とシンクロし、背後のドラマに釘付けになります。フードコートという公共の場だからこそ覗き見えてしまう、人間の表と裏の顔をコミカルかつ深く切り取った極上の人間観察記です。
そして会話の結末は、作者にすら分からない。
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