『偽りの英雄と飼育』5への応援コメント
大継湊さま
こんにちは。
獅子守さんも竜胆さんも、それぞれが抱く相手への負い目により、相手の反応を正しく把握し損ねているようですね。それだけ鬱屈したものが大きいということなのでしょうか。もしかすると、正しく把握することを潜在意識がブレーキをかけているということもあるのではないだろうか、とも思いました。得ることは、失う可能性を手にすることでもありますから。
しかし、PAX上層部が果たしてふたりの心の変化、つまり胎動し始めた関係性に気づかないものでしょうか。今はまだ油断しているのかもしれませんが、いったん少しでも怪しまれてしまったら、隠し通すことは不可能な気がします。四六時中の監視下演技し続けることは並大抵の精神力・演技力ではできませんよね。
結果的に、事実をただ伝えるよりも激しく獅子守さんを絶望させることとなる「嘘」をついてしまったと自分を責める黒鉄さん。彼もまた、どうしようもない苦悩を抱えることになってしまいましたね。その苦しみの一端を吐露する相手として白鷺さんがいてくれることが、まだ救いになっているのでしょう。
性的な描写についてお気遣いいただき、ありがとうございます。問題ないと思います。さすがにこの年ですので (^^;)
作者からの返信
佐藤宇佳子さま
いつも丁寧なコメントをありがとうございます。
まずは性的な描写について、問題なかったと伺ってホッとしました。昂輝の鬱屈とした感情や、柊志との関係性を描く上で必要だと感じて書いた部分ですが、少し不安もあったので……。
昂輝と柊志の互いへの負い目が目を曇らせてしまっているすれ違いは、これからの物語を動かすエンジンとして意識して書いているところでもあります。 また、PAXの監視についても、とても鋭いご指摘にドキッとしました……! おっしゃる通り、あんな四六時中監視されている状況下で、本当にいつまでもごまかしきれるものなのかどうか。そのあたりも今後の展開の鍵になってきますので、ぜひ見守っていただければと思います。
仁が抱え込んでしまった重荷は大きいですが、慧が側にいてくれるのがせめてもの救いですね。本編がどうしても重苦しい展開になりがちなので、あの二人のやり取りは一種のカンフル剤のような役割として意識して描いています。「感情をデリートした」と豪語する割に、慧は意外と感情豊かですよね(笑)。実は、二人の掛け合いを書いている時が一番楽しかったりします。
彼らがこれからどんな運命を辿っていくのか、引き続き見守っていただけると嬉しいです。
『暴かれる世界の真実』3への応援コメント
大継湊さま
こんにちは。
思いもよらぬ真実を聞かされた獅子守さんは大混乱でしょう。それでなくとも、お母さまの記憶をまたひとつ、犠牲にしてしまったというのに。このとんでもない運命に、救いはあるのでしょうか。逃げても逃げても、逃げ切ることはできない。抵抗しようとすれば自分の大切なものが壊される。どうしようもない閉塞感に心が壊れてしまわないのが不思議なくらいです。
本来の竜胆さんは、部下の乱れた髪を指で直してやろうとするくらい、情にあふれた人なのですね。しかし、与えられた『飼育係』という悍ましい任に抗うには、寄せられる情愛をはねのけ、叩き落すしかない。自分の痛みを癒すどころか、相手をあえて傷つけねばならないというのは、彼にはどれほど苦しいことだったでしょう。
獅子守さんが、竜胆さんが押し殺していた気持ちの一端に触れ、互いに手を握り合ったことは、獅子守さんにとっても竜胆さんにとっても、小さいけれど強くたしかな熱として胸に留まったのではないか、そう思います。
作者からの返信
佐藤宇佳子さま
温かいご感想、ありがとうございます。 まずは、重苦しい展開が続いた第一章の読破、本当にお疲れ様でした。 先に謝っておきますと、これからは違ったベクトルでさらに重苦しくなっていきます。申し訳ありません……。 また、もう一つ注意点として、12話からは展開上、ちょくちょく性的な描写が登場するようになります。カクヨム準拠ですのでそこまで露骨ではありませんが、気分を害されないか少し心配しています。どうかご自身のペースで、ご無理のない範囲でお付き合いいただければと思います。
さて、第二章の幕開けとなるこの11話。本作の中でも一番気を使ったと言っても過言ではない回でした。何度も何度も書き直して、実を言うと今でも完全に満足できていないほど苦心した部分でして……。 それだけに、昂輝と柊志の二人に心を寄せていただき、こうしてコメントをいただけたことが本当に励みになっています。
第一章までは「残滓」という分かりやすい脅威が相手でしたが、ここからは組織(と神食者)という見えない敵を相手にする新たなフェーズへと突入していきます。 今後の伏線や展開のネタバレになってしまうため詳しくは言えないのですが、一応、本作はハッピーエンドで終わる予定ですので、その点はご安心ください。
過酷な運命の中で、二人がどう立ち向かっていくのか、引き続き見守っていただけたら幸いです。
『偽りの日常とノクターン』1への応援コメント
大継湊さま
こんにちは。
この観察記録……。担当医の検閲済みということは、あの優しそうな医師も、「後にそれを無惨に破砕した際の『至高の■■』へと直結する」という実験的処遇を認知しているということなのですね。この仁さんの配慮も、新人に爆発的な能力を開花させるために計画された行動かもしれないと疑い始めると、もう読み手側のやきもきはきりがなく……
お母さまの死により生き甲斐を失ってしまった獅子守さん。意識下で、必死に彼女に代わる心のよりどころを探し求めているのに、その、やや強めの執着心を反転させて一気に化けさせようというのは、そもそもここに迎え入れたときから、彼を人間として扱う気はなかったということなのでしょうか。
作者からの返信
佐藤宇佳子さま
こんにちは。コメントありがとうございます。
……かなり鋭いところまで踏み込まれ、少しどきりとしました。冒頭の記録があるせいで、仁の不器用な配慮さえ「本当に彼自身の意志なのか」「誰かに利用されることまで織り込み済みなのか」と疑えてしまう。まさに、この場面に残したかった嫌な感触です。
昂輝が必死に求める心のよりどころさえ、観察する側には“素材”として映っている。その扱いを、人間に対するものと呼べるのか。誰がどこまで知り、何を意図しているのかは、この先に触れてしまうため今は伏せますが、そこに目を留めていただけたことが嬉しいです。
ぜひ、この先もやきもきしながら見届けていただけたらと思います。
『空っぽの温もり』3への応援コメント
大継湊さま
こんにちは。
なんと、治癒しない可能性があるのですか。前話の「治る」の言葉の頼もしさに安堵していたばかりなのに。
人一倍、お母さまを大切に思っていた獅子守さんから、その思い出の温もりがすっかり奪い去られるとは。切り抜かれたかのように滑らかに口をひらいた心の中の虚無。お母さまが与えてくれた慈しみがもう二度と帰ってこないというのなら、今度は自分で新たなものを創り出して,底知れぬ穴を埋めていくしかないのでしょうか。
作者からの返信
コメントいただき、ありがとうございます。
前話で仁が迷いなく言い切った「戻る」に、昂輝と一緒に安心してくださっていたからこそ、朔の見立てはなおさら厳しく響いたのだと思います。
失われたものを取り戻せるのか、それとも新しい温もりで空洞を埋めていくのか。そこまで昂輝のこれからに思いを巡らせていただけたことが、とても嬉しいです。
彼が、この傷とどう向き合っていくのか、引き続き見守っていただけましたら幸いです。
『境界線の訓練』4への応援コメント
獅子守さんおよび工藤さんの回答に対する評価やその後の解説を鑑みると、白鷺さんは一見感情のない正確なマシーンのように見えて、その実、精神性をかなり重視しているように見えます。また、ときに、彼女の内に感情が存在することを垣間見せるような言葉選びになっているようにも思えます。
と思ったものの、そもそも境界戦技も魂の刻印も『魂』ありきなのですから、白鷺さんはあるべきスタンスを厳密に守っているだけなのかもしれませんね。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
今回の訓練での慧の言葉選びや立ち回りから、色々と想像を膨らませていただけて嬉しいです!
キャラについては、読んでくださる方それぞれの解釈に委ねたいなと思っているので、こうして深く考察してもらえるのが何よりの励みになります。
この先、彼らがどう動いていくのかも含め、引き続き物語を見守っていただけたら幸いです。
『境界線の世界』7への応援コメント
大継湊さま
こんにちは。
ここまで拝読させていただき、ずしりとした読み応えを感じています。
物語の筋が太くてしっかりしているのに、描写が驚くほど繊細で、そのギャップが何とも言いようのない魅力というか色気というかになって立ち上っているように感じます。
文章表現については、私も書き手として気を遣っているのですが、御作の隙のなさに舌を巻きました。
近況ノートのイラストもとても魅力的ですね。このイラストからも、「気は優しくて力持ち」なキャラクターの内面までもが伝わってきます。
この後もゆっくり楽しませていただきます。
今回コメントさせていただいたのは、某拙作へお越しくださっているのに気づいたからです。結論から申し上げますと、大継湊さまにご不快な思いをさせるのではないかと危惧しています。タグにありますように、同性愛を扱っておりますが、当事者が楽しめたり励まされたりする内容にはなっていません。当事者に本作がどう伝わるのか知りたい気持ちはあるものの、リスクのほうが大きいかもしれません。
『イソヒヨドリ』三部作については、ここに置いておくべきか、取り下げるべきか、いまだに考えあぐねている状態です。同性愛も含めた「ふつう」「ふつうでない」を掘り下げた、私にはかけがえのない作品でもあるのですが。
もしも、それでももうしばらくお付き合いくださるということでしたら、「不快」とか「もう無理」などとお感じになった時点で教えていただけると、とても嬉しいです。唐突で勝手なお願いですが、ご考慮いただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
作者からの返信
佐藤宇佳子さま
こんにちは。
応援とコメントをいただき、ありがとうございます。
拙作についてのお言葉、とても励みになります。自分でもまだまだ手探りで、磨きが甘い部分も多々あると自覚しているため、こうして肯定的なご意見をいただけて安堵いたしました。近況ノートのイラストも見てくださり、キャラクターの芯の部分まで汲み取っていただけて嬉しいです。
また、御作について、私へのお気遣いもありがとうございます。ですが、ご自身が大切になさっている作品なのですから、全く気にされる必要はないと思いますよ。まだその該当の部分までは読めていませんし、それに、私自身、当事者とはいえ、同性愛者の代表というわけでもありませんから。どうか深く悩まれませんように。これからも一読者として、ゆっくり楽しませていただきます。
改めまして、お声がけいただきありがとうございました。
色々と至らぬ拙作ではありますが、今後もご自身のペースでお楽しみいただけたら嬉しく思います。
『正義の盾、反逆の矛』4への応援コメント
大継湊さま
こんにちは。
これまで、優しさが勝り、精神的なもろさが前面に出がちだった獅子守さんが、変わりましたね。黒鉄さんの悲痛な謝罪を穏やかに受け入れ、相手の苦悩をいたわれるとは。自分の心に空いた穴は今もこれからも埋まることなく、冷気をたたえているのでしょう。それでも、新たな熱を受け入れる覚悟ができたということですね。
その黒鉄さんのなんと凄絶な姿……白鷺さんを助け出して獅子守さんと竜胆さんを逃がすために文字どおり体を張って盾になる。獅子守さんたちは今は苛烈な使命感に感情のすべてが支配されているのでしょうが、それが落ち着いてしまったときが怖いですね。黒鉄さんの血と肉を踏みつけて今の自分たちが立っていることに、彼らの精神は耐えられるのかどうか。この苦悩を飲み込んで再び前を向くには、どれほどの苦しみが待っているか、想像するだに恐ろしいです。
本日より8月末まで不在となるため、次章以降は9月から拝読させていただきます! しばらく間があきますが、どうぞよろしくお願いいたします。
作者からの返信
佐藤宇佳子さま
いつもコメントをいただき、ありがとうございます。
彼らの覚悟を深く読み込んでいただけて、作者として嬉しく思います。 昂輝の仁への接し方についてですが、実はそこまで意識せず「昂輝ならこう動くだろう」と思いながら執筆していたので、ご考察を拝見して「なるほど~!」となっておりました(笑)。
8月末までご不在とのこと、暑い日が続きますのでどうぞお体にお気をつけて。 落ち着かれた頃、またお読みいただけましたら幸いです。