作者同様伏線フェチのワタクシと致しましては、ウンウンウンウンと十回以上頷かされました。ミステリに限らず、意外な展開を盛り込む小説って結局こうやって作るんだよね、と非常に納得感のある内容になっています。
本論の中でも、伏線を「逃げの一手」に使うというのは新鮮な視点で面白かったです。小説を書いていて自然な展開をスラスラ書けるならそれで良いし、ちょっと行き詰まって不自然な展開が生まれたらその前に伏線をぶっ込んでおけば良い。なんて万能な道具なんだ、と。
『超展開昔ばなしーうさぎとかめ』を先に読んでいると、D野佐浦さまの思惑がさらに深く分かって興味深いと思います。オススメです!
唐突にお助けマンが登場すると、ご都合主義のおそれあり。
ド肝を抜くひねりを入れると、超展開のおそれあり。
かといって想定内に収まりすぎていると、ありきたり……
いやはや、ストーリーテリングというのは難しいものですね。
なんとか思いついた面白そうなタネを、本当に面白くする魔法はないものか?
あるのです!
それこそが伏線。
さりげなく、あるいは意図的に違和感を演出。
苦し紛れのムリ筋を、計算されつくした構成へと昇華する。
本作の作者様は、不条理からの不条理や、詭弁にも片足を踏み入れる作風。
そんな方が伏線の用法を見せてくれるのだから、読まなきゃソン。
どんな狙いで書いたのか、どう思わせたいのか。
手の内を明かす回もあって、非常に興味深いものです。
習作と銘打たれたサンプルも、読み物として面白いですよ。
ということで、ぜひ!
……もっとも。
素晴らしさを声高に叫んだところで――――
【レビューコンテスト応募】