第2話
「次、会ったら殺す」
この言葉が誠二の頭の中をぐるぐると巡っていた。次って、明日じゃん。
ベッドの中で誠二は思う。
鬼塚って、ああいう下着着るんだ。可愛いし、似合いそうだな。つか、そもそも鬼塚って何カップあるんだ、あれは。いや、あんま想像するな。まずい。
てか、あれって勝負下着だよな?
だから、学校に着てくる訳ではねえよな。
なら、そんな殺すとまで言う必要なくないか? 彼氏にしか見せないんだろうし。
鬼塚は美少女だ。下着を見せる彼氏くらいいるだろう。
とにかく、明日は謝罪に徹しよう。よし。
誠二はそう結論付けて眠りについた。
***
一方の鬼塚家。
「ふん、ふん、ふふーん」
上機嫌な鼻歌が出てしまう。
「エルリンの新作マジ可愛い。バイト代はたいて買って正解だわーっ! 明日着よ」
淡いブルーをベースカラーに銀のラメ糸がキラキラと輝く。一見、幾何学模様に見えるのに、可愛いデザインとしてブラとショーツに落とし込むブランドのデザイナーには頭が下がる。着心地が楽なL字ワイヤーのブラにサイドを結んで留めるリボンショーツ。
エルリンは可愛さを詰め合わせたようなデザインが魅力的なブランドだ。世界観も作り込まれていて良い。
何より、サイズ展開も豊富で助かる。採寸したら、またバストが上がっていた。スマホを取り出し、ブランドのアプリを立ち上げる。バスト九十七、ウエスト六十四、ヒップ九十二。……お尻はそんな大きくなくていいよ、と撫子は地味に思った。
そう。鬼塚撫子は日常的に可愛い下着を着る、大の下着好きであった。
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