魔王討伐後の世界を「設備管理」という視点から描く発想がとても面白い作品でした。
魔王城を歴史資料館として再利用し、その設備管理課が日々起こるトラブルを解決していくという設定だけで引き込まれます。壁を叩く音の正体が清掃ゴーレムだったり、封印魔剣が勇者まんじゅうに反応したりと、シリアスになりがちな「戦後」をコミカルに描きつつ、戦争の傷跡や人々の復興もしっかり感じられるバランスが絶妙です。
特に「怪奇現象ではなく設備不良」という一貫したスタンスが秀逸で、毎回オチまで気持ちよく読めました。設備管理課の面々の掛け合いも軽快で、安心して読み進められます。
ギャグだけで終わらず、勇者や元魔王軍関係者がそれぞれ新しい人生を歩んでいる様子から、「戦争が終わった後の世界」を丁寧に描こうとしている点にも好感を持ちました。
肩の力を抜いて笑いながら読めるのに、時折しんみりとした余韻も残る作品です。