作者様は物事をより多角的に見ようとしているのかなと感じた。だから気持ちいいところだけを摘まみだして消費していくようなものが不快に感じる、のかなと。私もちょっと設定を変えただけの粗製乱造は、クリエイターとしての創作コストの放棄と思っている。投稿作品から人気の出たものを拾い上げて商業化していく流れや、過去作のリメイクが溢れている現状も同様に。でも手っ取り早く快感を得たい消費者が多いから、どうしようもないんだよねぇ・・・そんな風に、愚痴に「分かるー」と思いながら読まさせていただきました。
今の小説について考えさせられる小説でした。作者様が恐らく漠然と抱いていた疑問を、ここまで分析し言語化していることに驚かされます。多少語気が強かったりヘイトを買うような部分もありましたが、作者様は誠意をもってこれを書いていると感じました。批判もしっかり受け止め、糧にしていましたから。なので、それに気圧されることなく、目に留まったら是非最後まで読んでみてください。読者側でも作者側でも、小説の新しい視点を得ることができるでしょう。
論の運びが荒いと感じる箇所がいくつかありますが、提示される論点には鋭いものが存在します。そして何より、筆者が自分の立場を明示して書いていること。おかげで読者が具体的に応答でき、コメント欄がそのまま議論の土壌になっている。賛成するにせよ、しないにせよ、自身の『作家性』を持ちたい書き手に、考える手がかりを与えてくれる連載です。