廃墟探索とオカルト配信という入り口なのに、実際に読ませるのは幽霊ではなく人の未練と生きている人間の業。この作品の面白さはそこにあります。毎話ごとに異なる残響体との対話が丁寧で、除霊ではなく言葉で未練を解いていく構成がとても新鮮でした。そして4話で一気に価値観を揺さぶられます。人を救ってきた主人公が、生者には忌霊という制裁を下す。その善悪の境界に読者まで考えさせられる展開は見事でした。ことりとの軽妙な掛け合いが重いテーマの緩急になっていて、最後まで一気読みしたくなる作品です。