第2話 未来占いAI、爆誕!

「ピロリロリーン! 未来が見えるよ!」 秋葉原の裏通り。

中古ゲーム機を改造したような怪しげな機械が、まるでアニメのキャラのような声でしゃべった。



占い師・マダム玲子が“未来観測装置”として売り出した最新兵器――その正体は、ただの音声付きチャットAIだった。


「あなたは来月、大金を手にします!」


「え、本当に!? やった!」

機械の前で喜ぶ客の姿がSNSで拡散されると、

他の占い師たちも我も我もと真似をした。



ある者は中古のノートPCに光るシールを貼りつけ、


ある者はAlexaに金魚鉢をかぶせて「量子水晶」と名付けた。


「未来観測装置・一回5000円!」


「特別コースなら恋愛未来も保証します!」

街は大騒ぎ。



週刊誌の見出しはこうだ。

『未来観測装置で結婚相手を確認!? 都内に行列』


『宝くじの当たり番号も見える! 

夢の機械』 実際はというと――。


AIが使っているのは客のSNSや購買履歴。



「最近コンビニスイーツを買いすぎですね。

来週はダイエットの未来が待ってます」


「あなたは推しアイドルのチケットを狙っています。残念ですが倍率は50倍です」

要するに、ただの“高度なお節介”だった。


だが、客たちは妙に納得した。


「やっぱり、私のこと全部わかってるんだ!」


「本物だ! 本物の未来観測装置だ!」


行列はますます伸び、占い師たちは札束を数えながらこうつぶやく。

「未来は、見えるというより……売れるわね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る