迷宮を冒険の舞台ではなく不動産として扱うという視点がまず新鮮で、「良い物件はありません。合う物件があるだけです」というレオンハルトの台詞に、彼の仕事への哲学が凝縮されています。剣も魔法も使えない彼が、ダンジョンを通じて人と人を繋いでいく構図が、異世界ファンタジーとしては珍しい角度から街づくりを見せてくれます。
「ゴブリンは借主負担です」「ペット可物件」など、不動産業界の言葉をダンジョンに当てはめたタイトルのセンスも光っていて、設定の面白さがそのまま各話のフックになっているのが上手いと思いました。S級冒険者アイリスや設計士ロギといった個性的な依頼人・協力者が次々登場することで、不動産屋という一点から街全体の人間模様が広がっていく構成にも期待が持てます。
派手な戦闘ではなく「人が生きている」手触りで魅せるタイプの異世界ものが好きな方に、特におすすめできる作品です。