シュメール時代の神殿厨房に現代の料理好きが迷い込む、神話と料理を組み合わせた楽しい短編です。そしてこの時代をよく知らなくても、絶対に楽しめる内容です。イナンナやエンキといった神々の気配を背景にしながら、物語の中心にあるのは豆のスープやパン、ナツメヤシ、香辛料といった古代オリエント風の食の魅力です。鍋の前で味を整える身近な感覚が凄くよく、短いながらも世界観に引き込まれます。料理から古代世界へ入っていける面白い作品です。