まず、私はこの作品をプロローグと序章まで読んだが、
結論としては私の好みの作品ではなかった。
だが、レビューを書くと言った以上、約束を反故にすることはできないので、
仕方なく書くことに決めた。(言い方きつくてゴメンね)
この作品は、禁忌の配合「ファントムマール」によって生まれ、鋭い空間把握能力を持った盲目の犬「レタル」と、
足を失い義足となった元陸上部の少女「翠花」の視点が交互に描かれる、
ごくありふれている犬物語だ。
なぜそのような感想を持ったかと言うと、私はそもそも動物にあまり関心がないからだ。
私の家には一匹の雄猫がいるのだが、可愛がっているのは親と兄妹だけなのだ。
勿論、可愛がろうともしたことはあったさ。
でも、猫に感情移入することが疲れるし気持ち悪くて、結局今もできていない。
だから、申し訳ないがそもそもこの作品を見るのに私は適していない。
価値観が違う、とでもいうべきだろうか。
なので、別の人間に読んでもらうのがベストだと、私は思う。
だが、文章が成立していないレベルではなかったので、そこは評価に値するだろう。
WEB小説という『読まれる層を一切気にしなくてもいい』という、もう一つの利点を最大に生かした、自分が言うのも何ですが、相当にマニアックかつ尖った物語です。
医学的知識に基づいた詳細な描写があるので、強引なケレン味にも説得力があります。
悪徳ブリーダーなどの社会問題、障害の辛さも隠すことなく描いていて、倫理的に信頼感が置けるので安心して読めます。
なにより物語の根底に流れている、障害に対しての現実的でありながらも包み込むような優しい視点が、ご都合通りに進まない厳しい物語世界に温かみを与えています。
率直に言って、ドーパミン補給型が主流のWEB小説の真逆に位置する作品だと思います(誤解がないように補足しますが、ドーパミン補給型が悪いことだとは思っていません。あれはあれで疲れた現代人への癒しという役割を全うしています)
読者ストレス負荷は相当にあります。しかしながらこのような作品が産まれるのもまたWEB小説の良さではないかと、私は思います。
本作は、一人と一匹の「境遇」に胸を打たれる絆の物語となります。
先天性白内障で眼球に障害を持つ「犬(主人公)」と、骨肉腫で左脚を失ってしまった「少女」が出会う設定に、お互いが背負う過酷な運命を、優しくリアリティのある筆力で表現されています。
作者様の手腕は、「転生×警察犬」という非常に丁寧でリアリティのある設定を、犬ならではの視点から描かれる世界感を構築されている点です。
きっと動物に対しても造詣と愛情をお持ちの方だと感じます。
それほどに、動物愛が伝わる丁寧なドキュメンタリー風の筆致です。
眼に障害を持つ犬へ転生した主人公と、左脚を失った陸上少女が、お互いのハンデを補い合いながら共に警察犬への道を走り続ける、優しくも熱い絆を描いた動物成長ファンタジー。
あらすじを読んで、感性を刺激された方はぜひ一度お読みいただければと思います。
おすすめいたします。
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