もしも貴方がちゃんと人生を全うできたなら、喜びの再会が出来るでしょう。
でももし不意に亡くなってしまった時、人生半ばでその生命を自ら断つような事があった時、運が良ければ彼らに遭う事が出来るかもしれません。
不幸ではあるけど、幸運な出来事。
もし貴方自身に非がある様なら、素直に叱られて下さい。
とても可愛い彼らを困らせる様な事はしないで下さい。
そして、彼らの言う事を聞いて、安心させてあげて下さい。
本来なら、まだまだ先になるであろう再会の前倒しです。
本当なら、あっちゃいけない事なんです。
でもその時の幸せは心の奥底に大事にしまっておいて、ちゃんと彼らにお土産を用意してあげて下さい。それが一番喜ばれます。
この作品は、病気で目が見えなくなってしまった主人公・紬(つむぎ)が目が見えない自分を受け入れることができず自ら命を絶ってしまった所からスタートします。
気がついたのは辺り一面が真っ白な“朝待ちの駅”。
そこには、かつて紬が飼っていた犬のリクが人間の姿をして彼女を待っていました。
――。
こんな物語です。
全てが素晴らしくて、涙腺崩壊ものだったのですが………。
ほんと、兎に角読んで欲しいです。
美しい情景描写、紬とリクの心情、朝待ちの駅での様々な出会い。そして家族愛。
改めて、ペットと人間――動物たちと我々人間の寿命の違いを感じさせられました。
そして、大切な思い出を共有している同士であり友であり仲間なのだとも。
ぜひ、アナタの目で主人公・紬の歩みを見守ってあげてください!!
良作中の良作です。
ぜひ、ご一読を!!
ペットは飼い主の傍にいます。人間の言葉は、一文字も喋りません。時折、それぞれの種の鳴き声を上げて、飼い主の傍にいます。
人生をやり直す物語は数多あり、神が力を貸してくれる点も同じですが、この物語で巻き戻せるのは僅かな時間だけで、巻き戻した後での才能も前回の自分と同じ。自力でやり直すよう諭された人々の傍らにいるのは、飼われていたペットたち。
傍にいる、離れていかない、それだけで応援していました。飼い主がそれに気づかないなら、神から力を借りて、人間の言葉できちんと言うから。
言葉は助けにも凶器にもなります。時には意見の違いが見えたからこそ孤独に陥ることもあります。それでも。人生をやり直すという目標を共有するなら、どこで間違えたのか探して、修復していくのです、自分たちの意思で。
そして言葉に長けているはずの人間も、きちんと言えばお互いに助かっていたと気づくのです。
今まで読んだ小説の中で、一番心を動かされた作品でした。何話も泣いてしまって、本当に涙が止まりません。
紬とは年齢も近くて、家庭のことも重なる部分があったので、どうしても他人事とは思えません。
だから、この作品からもらったのは感動だけじゃありません。私も前を向いて生きてみようと思える勇気をもらいました。
リクの紬への愛が本当に深くて、優しくて、何度も胸がいっぱいになりました。紬がこれから少しずつ笑顔を取り戻して、幸せになってくれたらいいな、心から思います。
完結、本当にお疲れさまでした!こんなに素敵な小説を届けてくださって、ありがとうございました!
『陸へ、紡ぐ』を最後まで読ませていただきました。
亡くなった愛犬のリクと、生と死のあいだにある駅で再会する。最初は、悲しい別れを描いた物語なのだろうと思っていました。ですが、読み進めていくうちに、これは別れの物語というよりも、紬がもう一度、生きるほうへ戻っていく物語なのだと感じました。
リクが紬に向ける厳しさも、すべて紬を大切に思う気持ちから生まれたものなのでしょう。その姿がとても犬らしく、だからこそ余計に胸に残りました。ペットと暮らしたことのある人なら、きっと深く共感するのではないかと思います。
また、紬が視力を失ったあとの世界も、とても丁寧に描かれていました。音や匂い、触れた感覚など、五感を通して世界を見つめ直していく描写は、栗パン先生の作品の大きな魅力だと感じます。
もし書籍化されたら、迷わず手に取りたいと思える作品でした。
素晴らしい物語をありがとうございました。
速読したので、ごめんなさい、しっかりしたことは書けません。
あまりレビュー上手くないのでね、間違って書いていたら申し訳ない。
あとレビューを書くことになるとは思っていなかったので、準備不足だと思います、すいません。
文体は透明で明るく、前向きに主人公が進んでいこうとする作品のようです。
また作者のリク君への愛が溢れていて、ペット好きの方なら、感じるものがあるのかもしれません。
執筆時、作者の方が体調を崩しておられたとのことで、苦心して書かれていた跡、試行錯誤の痕が残っているかもしれません。
また朝待ちの駅との「行き返り」を題材にされていたということで、書くのが難しいのではないかと心配していました。
負荷がかかり、書くのには苦労があったのではないでしょうか。
しかし作者は芯の強い方なので、この作品から、新しい道へと歩み出されたことと思います。
作品の内容については、前述の通り、自分はどう表現していいのかわかりません。
でも作者の筆力・人柄に惹かれる方が多いのですかね、とても作品が評価されているんだな、と思います(現在、全員が⭐️×3の評価)。
あなたの目で確かめていただければ。
今後もまた素晴らしい作品を期待します。
視力を失い、絶望の中にあった少女、紬。全てが終わったはずの彼女の前に現れたのは、金色の髪の少年。
彼の正体は、死んでしまった紬の愛犬、リクだった。
リクに導かれ、紬は「朝待ちの駅」を訪れる。さまざまな人や動物との出会い、そして何より大好きなリクが、紬の心を、そして世界を少しずつ変えていく。
世界は、たびたび辛く苦しい。
運命は、時に残酷で容赦ない。
けれど、あなたのことを大切に想っている存在が、きっとどこかにいる。
これは、ゆっくりと変わっていく物語。
いいことばかりじゃないかもしれないけれど、それでも進んでいく物語。
あなたにも、優しいメッセージが届きますように。
【レビューコンテスト応募】
病によって視力を失い、絶望から自ら命を絶とうとした少女・紬。
そんな彼女が迷い込んだ「朝待ちの駅」で待っていたのは、人間の姿をしたかつての愛犬・リクでした。
リクが差し出す過去への切符を手に、紬が置き去りにしてきた「朝」をやり直していく設定が本当に秀逸です。言えなかった言葉や守れなかった約束など、誰もが抱える心残りに優しく寄り添い、傷ついた心をゆっくりとほぐしてくれるような温かさがあります。
目が見えなくても、音や匂い、そしてリクの真っ直ぐな言葉を通じて世界と繋がり直していく紬の姿に、何度も胸が熱くなり涙がこぼれました。
ペットを愛したことがある人はもちろん、生きることに少し疲れてしまったすべての人に読んでほしい、涙と救いに満ちた現代ファンタジーの傑作です。
視力を失い、何もかもが真っ暗な海の底のように澱んだ心理状態に陥ってしまった主人公の少女、紬。
彼女は死を求めて旅立つが、そこに待っていたのは、かつて彼女の愛犬だった過去を持つ、リクという少年。 そのリクとの会話を通じて、紬自身が心の目を取り戻してゆく癒しの物語です。
見えなくなった世界を通じて、たくさんの人の心に触れ合い、彼女自身も大きく成長していき、世界がこんなにも美しいものだということを再確認する、その紬の成長を見てもらいたい。
小さかった彼女の世界が、リクの導きにより、大きくて真っ直ぐな海のような世界に広がってゆく――その軌跡を、心をワクワクしながら味わってみるのはどうであろうか。
作者の呼吸が聞こえてきそうな物語をどうか手に取ってみてください。幸せになるヒントが手に入るはず。
嵐の夜に主人公紬は不思議な駅にたどり着く。
そこは生と死の境、「朝待ちの駅」。
失明し、自殺を図った彼女がたどり着いたところ。
そこで待っていたのは、今は亡き、かつての愛犬リク。
リクは自ら命を捨てた紬を叱り、励まし、その声に導かれるように紬は生きるための列車に乗る。
しかし、生き返った彼女は何度も壁にぶち当たり、何度も「朝待ちの駅」にたどり着く。
そうしてリセットを繰り返す紬は、光を取り戻していく。
それは決して目が光を取り戻すというような安易な奇跡ではない。
音で匂いで世界とつながり、かつて見ないふりをしたいじめに向き合い、そして両親の離婚と向き合う。
そうして彼女は目が見えなくても、周りに目を向け、自らの足で歩いていくのです。
そんな彼女の心の強さと、彼女に寄り添うリクの健気さ、可愛らしさに心を打たれるこの作品、ぜひ皆さんに読んでいただきたい一作です。
"人間はいつも、考えすぎる"
少年少女が語るようなやわらかい文体にもかかわらず真意・本質を突く鋭さは、まるで心を針で刺されるような想い。よかれの愛情が反比例するように日々重くなる重圧は、当の本人しかわかり得ないことだろう。そこを同じ人間だから逆に受け止められない・・・だからこそ"人間はいつも、考えすぎる"のかもしれない。
"朝が来る時、いちばん最初に出てくる色だよ。"
これは本当にそのとおりなのだけど、毎日の忙しさで人間が忘れている、美しさ。
そして光を失った彼女にとってはあまりにも重い。
そんな抱えきれない重さを(亡くなった)愛犬ならわかってくれるーー
人にわかってもらいたいのに、
人にわかってもらいたくない…
誰もが抱えてきたであろう複雑な悩みを、人間以外の誰かに救いを求めた経験がある人であれば、リクの存在があまりにも眩しく映るかもしれない。
かくいう私も、同じだ。
かつて19歳だった私がこれを読んだら、やわらかく、心に針を刺されるほど印象的で自分の心や身近な人を想っただろう。そんなお話です。