いつも通りの日常が、ほんの一瞬で終わってしまう始まり方に引き込まれました。
異世界転移ものらしい展開でありながら、主人公たちの軽いやりとりやメタっぽいツッコミが入ることで、重くなりすぎず読み進められます。
晴太とさっちゃんの会話にはテンポがあり、緊張する場面でもどこか笑える空気があるのが楽しいです。
ただ、その明るさの裏で、名前や記憶に関する違和感、老人の反応、血生臭さの残る森など、気になる要素が少しずつ置かれていきます。
ただの勇者召喚では終わらなさそうな気配があり、先を読ませる力があります。
絵画に描かれた三英雄の存在も印象的で、主人公が何を感じ、どんな成長をしていくのか気になりました。
王道の異世界ものが好きな人にも、軽口のある会話劇が好きな人にも届きそうな作品です。