テンポの良い対話によって描かれる女の子の賑やかな喫茶店経営は、見ているだけで微笑ましく、読んでいるこちらの頬が緩みっぱなしになります。
ですが、人と魔族が馴れ合えない世界の葛藤や、本来は敵同士だった彼女たちが平穏を守ろうとするパートの落差が本当に心を打ちます。
何より、この大ボリュームの内容を「リリー・カルテット!」という短くも完璧な一言に凝縮したタイトルのセンスのよさに、ひれ伏したくなりました。
シリアスとほのぼのの黄金比率も抜群で、グイグイ読めてしまうはずです。
この幸せな日常がずっと続いてほしいと、心から願いたくなる名作です!
まだ途中ですが、絶対に後悔しない作品だと思います。
続けて拝読させて頂きますね😆🎵
第1章末までの感想です。
カクヨムにはたくさんの「勇者と魔王もの」があります。
このお話も勇者と魔王が主役です。
しかし、勧善懲悪もざまぁもスキルの応酬もありません。
元親友が敵として刃を交えたとき、前世の記憶がよみがえりました。
戦いから身を隠し、二人で支え合おうと決めたのに、
気持ちがすれ違います。
お互いに相手を求めながら自分を責めてしまいます。
のんびりスローライフを期待して読むと、辛くなる場面もあります。
でも、何でもきれいにうまく行く方が不自然です。
なぜなら、今の二人は勇者と魔王なのですから。
やっぱりうまくいくはずなかったんだ。
相手を大切に思う故に身を引こうとします。
でも、本心ではありません。
再び絆を取り戻すと信じています。
前世は日本の女子大生、それも親友――そんな二人が、不慮の事故により転生すると……魔王と勇者だった。
不倶戴天の宿敵同士、しかも実際に死闘を繰り広げています。
そんな二人が、決着の際の際、前世に気づく。
どうして戦い合わなければならないのか。
互いの剣は捨て、今こそ――喫茶店だ!
イヤこれがホントにそういうお話で……タイトルとキャッチコピーでそう言ってますし^^;
最初は甘くて、ほろ苦い、そんな日々です。
そうこうするうちに勇者パーティーの娘や、魔王の忠臣の女性がやって来て……ほっこりします。
ほっこりしますが、実は宿敵同士だったため……。
この「……」の部分を、ちゃんと描いているところが凄いと思います。
この「……」があるからこそ、二人のの気持ちが、芯に響いてきます。
ぜひ、ご一読を。
勇者として魔王を討ったはずの莉子(元勇者リゼット)と、討たれたはずの陽菜(元魔王アリシア)。
実は二人は前世では親友だった大学生で、異世界に勇者と魔王として転生していたーー
まずこの設定に引き込まれました。
そして彼らは人里離れた海辺の喫茶店を営みながら静かに暮らしている。
そのような平穏は日々は、よく練られた構成のもと動いていきます。
テンポの良い対話による感情描写がとても緻密で、感情の掘り下げにこだわりを感じました。
元勇者パーティーの回復術師のルミィと、魔族のヴィエラも店員として加わる喫茶店では、クスッと笑う場面がたくさんあり、次に何が飛び出すのかもわからないワクワク感があります。
勇者、魔王、回復術師、魔族が家族経営の喫茶店を営めば、面白くならないはずがない。
そんな不思議な喫茶店によるラブコメディは、読めばきっと驚き、やさしい気持ちになれることでしょう。オススメです!
かつて世界をかけて戦った勇者と魔王――そのふたりが今はひっそりと喫茶店を営んでいる。
そんな導入だけで、「なぜ?!」と惹きつけられる作品ですが、「実は前世の親友同士が現世で対立を宿命付けられたことには理由があるかもしれない」――という謎を誘う導入が、作品全体を更に深みあるものにしています。
この作品の秀逸なところは、そのシリアスなテーマの経糸に、二人の少女たちの等身大で甘い日常が織り込まれていること。
人と魔族の馴れ合いを認められない世界で、葛藤しつつも平穏を守ろうとする緊張したパートと、喫茶店を舞台に繰り広げられる日常パートが、読んでいて全く飽きを感じさせないバランスです。
特に凪波はるか先生が描く百合の世界観の繊細さ、色っぽさ。丁寧に積み重ねられた表現の数々にはうっとりさせられます。
さらに勇者と魔王がそれぞれ信頼する仲間(臣下)たちも、性格も立場も正反対で、いがみ合いながらも認め合う関係性が微笑ましい。
登場人物ひとりひとりの複雑な心情が、誠実に描かれているからこそ成立する構成の妙です。
百合が好きな人、世界観に奥行きのあるファンタジーを求める人には、ぜひ手に取ってほしい強く推せる作品です!
かつて勇者と魔王として敵対していた二人が、前世では親友同士だった記憶を取り戻し、海辺の喫茶店で新しい日常を始める……。
この設定を見た瞬間に「絶対面白い」と思わせてくれる作品ですが、実際に読み進めると、その期待を軽々と超えてきます。
元勇者の莉子と、元魔王の陽菜。
二人が喫茶リリーで過ごす時間は、穏やかで、可愛くて、少しコミカルで、読んでいるだけで頬が緩みます。
前世の料理を再現しようと奮闘したり、慣れない店仕事に振り回されたり、何気ない会話の中で少しずつ距離が近づいていったり。
その一つ一つが本当に愛おしくて、「この日常がずっと続いてほしい」と心から願ってしまいます。
そして本作は、莉子と陽菜だけでは終わりません。
元勇者側のルミィと、元魔王側のヴィエラも非常に魅力的です。
最初はぶつかり合ってばかりの二人が、過去の傷や憎しみを抱えながらも、少しずつ相手を知り、認め、今の関係を選ぼうとしていく……その変化が丁寧に描かれていて、四人が揃うことで物語の温かさも切なさも一気に深まっていきます。
序盤は喫茶店ものらしい優しい空気や楽しい掛け合いに癒やされます。
けれど、物語が進むにつれて、勇者と魔王、人間と魔族、過去の罪と現在の想いという重いテーマが静かに立ち上がってくるのです。
その落差が本当に見事で、甘い日常を読んでいたはずなのに、気づけば胸を締め付けられるような切実さに引き込まれています。
特に素晴らしいのは、「ただ一緒にいたい」という願いの描き方です。
世界に許されるかどうかではなくく、正しいか間違っているかだけでもなく、それでも隣にいたい。その想いが甘くて、眩しくて、そしてどうしようもなく苦しい。だからこそ、莉子と陽菜の関係から目が離せません。
百合としての甘さ、ファンタジーとしての読み応え、喫茶店ものの温もり、キャラクター同士の掛け合いの楽しさ、そして胸を抉るような切なさ。
そのすべてが詰まった、読後に強く胸に残る作品です。
勇者と魔王の関係性が好きな方、喫茶店ものや日常ファンタジーが好きな方、そして「世界に許されなくても、それでも隣にいたい」という関係性に弱い方には、全力でオススメしたい物語です!
この世界の勇者リゼット。そして、魔王アリシア。
世界の運命を決める戦いの中でお互いが前世の親友だと思い出した二人は、
遠い地に逃げのび、誰も自分達を知らない地で一緒にカフェを開くことに決める。
勇者時代と魔王時代の部下が二人ついて来てしまいますが、
なんとか折り合いをつけつつ四人のカフェ経営が始まります。
見ているだけで楽しい、女の子4人のカフェ経営型のスローライフです。
相手を警戒する部下に少しのトラブルもありつつも
楽しいカフェ経営生活はずっと続いて行く。
……と、誰もが思ってました。
ある転換転を迎えるまでは。
その設定なくてよかったのでは?という要素はこの物語にはありません。
あとは貴方の目で確かめてみてください。
運命というものは時にあまりに残酷なものである。人が望んでいようがいないだろうが、あまりに無機質に……そして機械的に全てを変えてしまう。友情も愛情も、運命から逃れる事はできない。だけれど、『抗う』ことならできる。私は、そう思うのだ。
本作は、綺麗な百合が咲き誇るガールズラブな小説である。お互いに親友だった前世を思い出した勇者と魔王が喫茶店を開き、日常を過ごしていく。だけれど、その日常は決して平和なだけじゃない。人と魔族の戦いは終わったとは言え、未だに火種は燻り続けている。世界は依然として崖っぷちのまま。いつ、何かが起こってもおかしくはない。
……それでも、彼女達は共に生き続ける。ただ、友情のため。ただ、寄り添う為に。一緒にお菓子を作ろうとして大失敗したり、バチバチするお互いの部下たちを宥めたり。そんな日常が、とても尊く見えてくる素敵な物語が本作なのだろう。