まずはとにかく読んでみてください!
勇者、俺TUEEEE、冒険、チート、ハーレム、ギルド、ダンジョン、ステータス、スキル…といった異世界もののテンプレがいっさいありません。スローライフと思わせて
異世界ファンタジーあるあるな中世ヨーロッパ風の世界観ではなく、科学と魔法が同時に存在し、役所や法律などもある少し文明が進んだ18〜19世紀のような世界が舞台です。
そしてカーラさんの少し毒舌な「です・ます調」の一人称モノローグ。これで話を50話以上も継続していても飽きさせない作りは作者が徹底的に計算して書かれており、文章力や構成力の高さの証左とも言えます。
普通のファンタジー世界でのお仕事小説と見せかけて謎要素や伏線回収など、ミステリ的な要素もふんだんに盛り込まれていてファンタジー×お仕事小説×ミステリーとしてもよめます。
嫌な敵も現れず、優しい世界でありつつ、未だ謎が多い世界。役所仕事や税金の話など、現実にも通じる風刺(ブラックユーモア)をファンタジー異世界に巧く嫌味もなく、落とし込んでいるのは流石です。
特にカーラさんの淡々といつつも、上品で毎度毎度トラブルに仕方なく、巻き込まれる少し不思議な世界観は他の作品では味わえない雰囲気です。おじい様のガストンや見習いのリディアさん、メル氏、ライゼン氏など個性的なキャラも生き生きとしていて、ただ、設定のために作られたキャラとは思えないほど。
恐らく作者はかなり物語の設定や世界観を作り込んでから書いているようにも思えます。しかし、一気に世界説明をせず、ところどころで必要になった少しだけ解説される巧さ。他の作品も見習うべきだと思います。
長くなりましたが……
とりあえず、数話読んでみてください!
一気にカーラさんのこのブラン堂に引き込まれます。
18歳で王国公認古物商の店主代理を務める主人公カーラ。面倒くさがり屋で「明日の私、頑張れ」が口癖の自由人。でも、店に厄介な魔法遺物を持ち込む個性的な客達にも、一切物怖じしない。学者で変わり者な祖父との曰く溢れる会話や、客が持ち込む謎の魔法遺物を巡り、物語はやがて魔法世界の混沌たる源へと繋がっていく。
読み進めるにつれ、どんどん物語の不思議な世界へ引き込まれていくようで、とにかく面白い。魔法遺物を巡る伏線をどう回収していくか、ワクワクするような展開が広がっているようで、期待を込めて注目していきたい。物語を構成する視点も個性的であり、秀逸な作品として、高く評価できる。