嘗て世間を騒がせた人面魚。
よくよく見れば、山吹黄金という種類の金色の
鯉なのだが、そのブームは『実物』を伴いつつ
本当に 噂の怪異 であろう人面犬の噂とも
相まって連日、世間を賑わせた。
この人面魚、存外いろんな池にいる。
何故ならば、山吹黄金なのだから。
勿論、今でもいるだろう。
この作品は、近所の寺の池にいるという
人面魚を見に行きたいとせがむ息子と、その
父親の掌編である。
シュールな怪異なのか、それとも哲学的な
何かなのか。様々なモノが見え隠れする。
それでも
怪異に理由など、端からありはしないのだ。