待て待て待て待て。一回落ち着け……。
と心がざわざわする見事なホラーミステリーでした。
ホラーとミステリーの融合にかけては、作者の右に出る者はいないでしょう。「恐怖」と「カタルシス」とが同時に襲いかかってくる独特の読書体験は、本作を始めとする餡団子さまの作品ならではのものです。
そして餡団子さまの小説あるある――「何を書いてもネタバレになる」。
このあるあるが如実に現れた作品でもありました。なので僕は今非常に困っています(笑)。
でも、それこそが本作の魅力であり、餡団子さまの魅力なのです。
一般的なミステリのように切り離された「問題編」と「解決編」のようなものが存在するのではなく、ストーリーが進むにつれて連続的に結末へと流れていく。
一般的なミステリのように明確な「謎」と「答え」が設定されるのではなく、読者が抱える「違和感」が次第に「解釈」へと姿を変えてゆく。
これぞ小説、と言いたくなる“美しさ”を感じさせます。
背筋が凍り、息を呑む。その準備が整ってからお読みください……。
多重のどんでん返しの末に、背筋が凍りつくような展開が待ち受ける、珠玉のホラー作品です。
高坂先生が自宅に帰ったら、直接投函されたらしい封筒が届いていました。
中身を見てみると、薔薇柄の子袋と手紙が入っていて――
物語は「高坂の現在→手紙の内容→高坂の現在」という構成になっています。
手紙を読み進めると、不穏な空気感が少しずつ増していき、終わりに近づくにつれてそれがどんどん加速。
ラストには鮮やかなどんでん返しとと、リアルタイム感のある恐ろしい結末がまっています。
手紙から読み取れる恐怖と、進行形で迫りくる恐怖……そのダブルパンチが強烈!
ミステリーで味わえる閃き的な爽快感とホラーで味わえる恐怖が一度に堪能できる贅沢な作品です。
ぜひとも、この濃密なひとときを堪能してみてください!!
流麗な文章で不気味な雰囲気を常に感じさせてくる、秀逸なホラーでした。
この物語は高坂翼という高校の教師が卒業式を終え、自宅に帰ってくるところから始まります。
高坂は自宅の投函口に一枚の封筒が入っているのを発見します。
それには宛先や差出人の記載はなく『何も考えずにこれを届ける』とだけ書いてありました。
住所も書かれていないため、誰かが投函口に直接入れたものみたいです。
中身を見てみると、何か柔らかいものが含まれた薔薇柄の小袋と折り畳まれた一枚の紙が入っており、紙の表面には、『最低な先生へ』と書いてありました。
ここまで読んでみて、どうでしょうか? とても興味を惹かれる導入ですよね?
はたして、この手紙はどんな内容なのか、それは是非あなたの目で確かめていただきたいですが、恐怖を感じると同時にしっかりと面白いと感じる内容であることは、読んだ私が保証します。
また、読む際は、情景描写に着目するといいでしょう。丁寧に描かれた情景には、ちゃんと意味がありますから……。