小野塚 さまの人気シリーズ【神隠異聞】でバディを組む藤崎・田坂のおふたりが、須磨の艮、六甲の山懐にある『狼妖峠(のらゃしとうげ)古美術館』に繰り出します。
そこにはかつてメガバンクの『狼妖峠出張所』がありました。閉店後、趣きある建物を居抜き、個人所蔵の国宝級古美術品がひっそり展示されているのです。
良い社会見学だとばかりに、相棒の『狼妖峠古美術館』日帰り凸という誘いに乗った田坂さん。旅程を一泊二日の良識ある大人旅に変えさせ、いそいそと列車に乗りこみますが、藤崎さんの言葉の端々から早くも不穏な雰囲気を感じ取り始めます。
決定打は最寄駅から目的地に向かうタクシーの中で、
「もうワクワクしながら来たんですよ
どんな お化け が出るのかと。」
「…ファッ?!」
古美術鑑賞の閑雅な旅と思いきや、苦手も苦手、大の苦手の肝試しに嬉々として足を突っ込んでいたことを知った田坂さん。タクシーを降りて彼岸と此岸の陌間をおっかなびっくり歩いていけば、さっそく、馥郁たるかおりとともに白く妖しい「アレ」がお出迎え。
恐怖にほとんどパニック状態の田坂さんを腕にしがみつかせたまま、「特に悪いモンでも無さげだし」とあっさり捨ておく藤崎さん。
さあ、いよいよふたりで『狼妖峠古美術館』へ乗り込みますよ!