本作は、戦い嫌いの気弱な農民少年が、戦うための施設を建てる不条理なスキルを授かることから始まるファンタジーだ。本人の意図に反して闘技場には戦闘狂が集まるが、死なない安全な訓練場として評判を呼び、次第に屋台や休憩所ができて賑わうという町おこし的な内政展開が面白い。周囲の熱量に振り回されつつも、独自のルールで秩序を保とうとする主人公の苦労と、活気ある群像劇が魅力である。
平和に暮らしたい主人公の苦労話が好きな人。周囲の熱量で事態が好転する展開を楽しみたい人。徐々に人が集まり賑やかになっていく内政要素を好む読者におすすめできる。