同じ設定・同じ骨格でも、第1話の密度と読み応えがぐっと上がっている。
最も大きな違いは冒頭の構成だ。旧版は召喚シーンから始まったが、改訂版は「いらん。そいつはハズレだ」という結果から入り、そこからフラッシュバックで召喚の経緯を見せる逆順構成になっている。読者を「なぜ追放されたのか」という問いで引き込んでから説明するので、テンポが格段に良くなった。
アイテム進化の「媒介」システムが第1話から明示されているのも改良点だ。水を媒介に錆剣が「水流の剣」に変わり、スライムの魔核も媒介として使えると示唆されることで、「素材を集めて武器を育てる」という物語の核心が早い段階で見えてくる。旧版では漠然としていた部分がクリアになっている。
美咲のキャラクターが旧版より一段と嫌らしく描かれている点も、追放系としての動機の強さに寄与している。ただし「いつか足元に縋りついてきたら笑って見捨ててやる」という悠真の台詞は復讐動機として分かりやすい一方で、好みが分かれるかもしれない。
同じ素材の旧版を読んだ人にも、まだの人にも、こちらの改訂版から入るのがおすすめだ。