第1話の構造が完璧だ。階層都市の最底辺「スクラップヤード」で廃材を集めて生きる16歳のライが、正式なハンター登録試験に挑む——この一日を丁寧に描くだけで、主人公の才能、環境の過酷さ、守るべき存在であるアイリとの絆が、すべて自然に伝わってくる。
特に印象的なのが適性診断のシーン。ナノマシン精度C+という低評価を、自作のスコープで補っているライが技術士に問われる場面だ。「壊れたら、また直せるから」というひと言が、このキャラクターの本質を鮮やかに示している。強さの源がセンスではなく「生きてきた経験の積み重ね」にあることへの共感が、一気に湧く。
実地試験での最速攻略も、速い装備や高スキャン能力ではなく、廃域の「読み方」という体で培った知恵によるもので、成り上がりの説得力が桁違いだ。Eランクの登録証を見つめるラストシーンは静かなのに、鳥肌が立つ。