まだ物語の途中までしか読めていないのですが、居ても立ってもいられず、レビューを書かせていただくことにしました。
夜の街で、不本意ながら男に身を売る妹。
金銭を介してしか愛に触れられない客たち。
借金取りとして働き、親の借金を返しながら妹を守ろうとする兄。
ともすれば、後ろ指をさされかねない生き方をするしかなかった者たち。
退廃的で、はかなげで、とても危うい。
それなのに、どこか不思議な美しさを感じるのは、巧みな心理描写と比喩によるものではないでしょうか。
そしてその美しさは、登場人物たちの暮らしや感情を生々しく伝える、細部のリアリティに裏打ちされているようにも思います。
この作品については、レビュータイトルに挙げた、主人公ヨダカの言葉が物語っています。
客を見下しながらも、自分自身が人間として扱われないことを知っているヨダカ。
彼女に残された、数少ない逃げ道であるSNS。
蜘蛛の糸のように細く頼りないその逃げ道にすがり、必死にもがく姿を、胸が詰まる思いで読ませていただきました。