祖国滅亡併呑と拉致というハードな入り方をして、まったりグルメものになるのかと思ってたら、最後までハード展開でした。
むしろハード具合が上がっていくというブレなさ。
殺し合いしながらメシウマしまくるという緊迫感がたまらなかったです。
グルメ描写もすばらしく、これはいろんな意味でお腹が減ってしまう。
死闘を繰り広げつつも最後まで料理人シャハラの見せ場があるというのもよかったです。
シャハラと皇子カムランのタッグが本当によくて、お互いを補いながら戦って生き抜く展開に惚れ惚れしました。
どちらか一人だったら、どこかで必ず詰む(死ぬ)ことになるのでしょうね。
二人だから生きてゆける絆や運命みたいなものにジーンとしました。
あと猛禽類がかわいいので鳥好きさんにもおすすめです。
毎日夜に更新されていたので、夕飯が終わったあとに読んでいました。
もう出てくる料理がものすごく!おいしそうで!たまらなかった!
特に香りの描写が素晴らしいです。
スパイスとか肉の焼けるかんじとか油とか、読んでいるとお腹が鳴ってしまって。
パンと肉と米と乳製品が中心ですかね。
最初はトルコ料理みたいなものを想像していましたが、それともちょっと違う印象。
肉と米のセットが特にやばくてもはや凶器ですね。刺されまくりました。
ごはん食べたのに、ついついお菓子とかフルーツとかパンを食べてしまい、読みながら食べ、食べながら読みのお行儀悪いことを繰り返した結果、2ヶ月で2kg肥えてしまいました…!😨
でもって十二皇子がおいしいもの作ってもらって食べてウメーするだけの話でもなく、ミステリーあり陰謀論ありで、常に緊張感漂う展開で最後まで飽きなかったです。
二人のバディ感が本当に好きです。
どんな味がするのか気になって、輸入雑貨店に行ってスパイスを買ってみたり。
ブルーソルトは高いのと使い道がないのとで断念しましたが見ているだけで楽しい。
この小説を読んだことで、単調な毎日と食事が新鮮かつ楽しいものになりました。
読んでよかったし、食べてよかった!(太りたくはなかったけど…)
と思いながら読み始めたのですがこれがすごい!
無理じゃないどころか必然性がありすぎて納得しかないお話でした。
正反対の要素なのに抜群にかみ合って極上のグルメミステリーになっています。
まず立ち上がりが圧倒的です。
料理人のシャハラは孤児なのに育ての親の恩師を目の前で殺されてしまう。
ひ、ひどいよ…(涙)
さらには王女の身代わりにされて拉致されてしまう。
もうこの時点で私はシャハラの運命共同体です。一気に引き込まれました。
なのにまだ1話。濃すぎるぞ!
で、拉致された帝国で後宮の牢獄みたいなところに放り込まれるのですが、
そこで第十二皇子のカムランに出会います。
カムランは胃弱でスパイスとか油のきついものが苦手。
無能で無害な皇子とみなされているのですが、実はかなり有能で頭がキレる。
カムランは無職なので仕事(地位)が欲しい、シャハラは師匠を殺した将軍
へ復讐したい、というわけで二人の目的は明確。タッグを組みます。
二人で宮廷の陰謀や兵站の謎解きに挑むのですが、シャハラは料理人なので
食材や料理の知識があります。
カムランは軍師を目指していたので軍事や地理、流通、経済の知識があります。
この二人の知見が合わさったとき、初めて帝国の全体図が見えてくるというか
一気に立体的になって、ぐわっと迫ってきます。
どちらか片方の知識だけではわからないまま。真実にはたどり着けないのです。
バディなればこそで話が進んでいくため、ドキドキワクワク感も2倍です。
グルメミステリーだけあってグルメ要素もたっぷりです。
中東というかアラビアな料理はなんでもスパイスが入っていて、日本人には
なじみが薄いのですが、実にわかりやすくおいしそうにアレンジされていて
読んでいると食べたくて仕方なくなります。
ううっ、茹でこぼし飯おいしそう!お菓子めちゃ甘そうだけど食べてみたい!
陰謀とグルメの塩梅が良すぎてミステリーなのにお腹が減って危険です。
どのネタも新鮮で、もうお腹いっぱい…にはならないんです。
あとシャハラがどうなっちゃうのかも心配です。皇子なんとかして!
もはや気分はシャハラのモンペです。
このレビューを読んで「どんな話だよ」と思われる方もいるでしょうが、
読めばわかる。わかるさ読めば。読んでください。
そしてフフフ…お腹を減らすがいい!
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シャハラは王城の厨房で働く料理人だった。しかし、王都が帝国に急襲されたことで日常が一変する。自死した王女とよく似た容姿をしていた彼女は身代わりにされ、帝都の後宮に連れ去られてしまうのだった。
圧倒的な臨場感に冒頭からグッと引き込まれました。情景が見える、音が聞こえる、においがする、空気感が肌から伝わる。場の緊迫が、シャハラの気持ちが、目にした惨状が。まるで自分の五感を通したかのように鮮明に広がりました。文字を読みながらにして、私は間違いなくファルハの地を踏み、シャハラが運命の岐路に立たされる瞬間に立ちあっていました。
読んでいて浮かび上がったのは「戦」のイメージです。
まず、シャハラにとっての戦。それは生き延びること。生きるためには食べなくてはならない。料理人である彼女は持ち前の技術と知恵で「調理」という戦を制し、そうして生み出した料理で周りの人間まで制します。
調理、食事のシーンは本当に美味しそうで、とても引き込まれました! なぜそうするのか、どうしてそうなるのか。手順の意図や食材の性質、科学的な知見をまじえた論理的な描写には好奇心が掻き立てられたし、説得力がありました。すごいもの、高度なもの、繊細なものを作っているんだという高揚がありました。また、できあがった料理の上品で繊細な味わいも伝わってきて、まるで登場人物と一緒に料理を味わっているような心地にもなれました。「そんな味や香りがするんだ!」と思えました。
ダムヌーシュ、フェルニ、サハレブ、クルチェといった中東の食べ物は聞き慣れないものばかりですごく興味がわいたし、読みながらどんなものか検索しましたし、実際に食べてみたくなりました!
「戦」のイメージのもうひとつが、カムランにとっての戦です。様々な思惑が渦巻く宮廷では、様々な政治的闘争が起きています。各々が自分の戦略を持ち、戦に勝利することもまた、生き延びることなのです。
第十二皇子であるカムランの持つ情報、そこに料理人であるシャハラの視点が加わると、今まで見えなかったことが浮かび上がってきます。二人が揃えば、新たな戦い方ができる。鋭利な一面のあるカムラン、仇討ちを望むシャハラは、二人一緒だからこそ、「生きる」ということの新たな段階に足を踏み入れたように思いました。
闇を追った先には何が待ち構えているのか。二人はどこにたどり着くことができるのか。物語はこの先まだまだ渦巻いていきそうで、とても楽しみです!
(※第22話までを読んでのレビューです)
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