たった一話なのに、その間の何十話が見えてしまいました。
最初は「どうして最後だけ描くんだろう?」と思いました。
E-ROCKが結成されて。
ライブを重ねて。
仲間と笑って。
Blue Floydとして世界中を魅了して。
そして、交響詩を奏で、宇宙を再び回転させる。
本来なら何十話にもなるはずの物語。
でも作者は、その全部を描きません。
描いたのは、その役目を果たしたあとの、たった一話。
だからこそ想像してしまうんです。
BBとして生き抜いたアメリア。
きっとMariaと同じように、誰より熱く、誰より仲間を愛していたんだろうなって。
スミレも。
ハルも。
飛鳥も。
りゅうも。
みんなで交響詩を奏でた景色が、描かれていないのに見えてくる。
Blue Floydは今回も、読者を信じていました。
全部を説明しない。
だから読者の中で、その何十話もの時間が勝手に動き始める。
この一話は別れの物語じゃありません。
Blue Floydという交響詩が、再び輪廻へ還る瞬間を描いた、美しい祈りでした。